天文奏

関東で火球 関東に火球出現ということで木下先生から諮問があった。日本標準時では23時を回っていたけれどもホラリーの、 占者が問いの内容を理解した時刻でホロスコープを作成する。 という原則に従い、愛媛の実家は日本標準時から-9分の時差があり、それを…

呪禁道

俺のとは違うなぁ 呪禁(じゅごん)とか呪言(じゅごん)と聞いたら、最近だとやはり『呪術廻戦』の狗巻棘だろうか?私はジジイなので『孔雀王』の王仁丸が浮かんでくる。 ただ実際の呪禁はこんな派手なドンパチを行うものではなかった。律令制下では宮内省の典…

八宅の理気

大遊年変爻法 風水の八宅の理気の基本は大遊年変爻法で、変爻法というだけあって宅卦もしくは本命卦がどのように変化して後天八卦になったかを基本にしている*1。 例をあげてみよう。宅卦が離の時、離宮は不変なので伏位、坎宮は全爻変なので延年という具合…

残り時間10年くらいか

羅式運命グラフ これは術友の椎羅さんが開発した紫微斗数の羅式運命数値をグラフ化したものだ。グラフの名前の通り、私についてのものだ。 余談だけど、今の所は最新版の羅式運命数値のグラフを書くソフトは私が作ったものしかない*1。グラフを見れば分かる…

誤占の弁2つ

ペロシ訪台 『ペロシ米下院議長の動向』のエントリで、ペロシは最終的には日和って台湾には行かないのではないか、と推測した。しかし外れた。 twitter.com 振り返ると考慮するべき点は幾つかある。 伏吟課は動けば元にもどらない*1。 空亡と脱気について考…

ペロシ米下院議長の動向

台湾に行くのか? 外遊中のペロシ米下院議長が台湾訪問を希望しているとのことで中国が反発している。 性懲りなく占ってみることにした。伏吟課を得た。伏吟課は進むに進めず変えることの出来ない状況に苦しむのを第一義にしている。ただし動き始めると三伝…

ケプラーと占星術

割と辛辣な本 ケプラーが生活の糧であった占星術をどう見ていたのか、占星術へのあの辛辣な言葉が本当にケプラー自身のものだったのかどうかを調べるために『占星術 (文庫クセジュ 535) 』を入手した。本書はフランス人の天文学者である Paul Couderc の著書…

まるでウイルス模型

道教の祭式 さて天理参考館で『神仙思想と道教』を見学してきたわけだけど、まず天理参考館の威容に驚かされた。 なんか天理にあるだけのことはあるな、という印象を受けた。 夏休みに入ってるせいか親子連れも沢山した。道教の祭式や扶乩(フーチ)を撮影し…

亀蛇に乗る神

龍頭の亀 九州の八代に現れた妙見菩薩は龍の頭を持つ亀である『亀蛇*1』に乗って海を渡ってきたという。妙見菩薩は北極星を神格化した玄天上帝*2を尊格化した中国生まれの菩薩だ。元が七星剣を持つ玄天上帝なので妙見菩薩も剣を持っている。遠距離の航海では…

ケプラーが言ったかどうか調査中

占星術という愚かな娘 占星術界隈では、ヨハネス・ケプラーが占星術と天文学について、こう言ったとされている*1。 天文学は賢い母、占星術は愚かな娘、しかし愚かな娘の汚れ仕事で母のパンを賄うことができた*2。 で、『チ。―地球の運動について―』への割と…

プーチンが急病らしい

性懲りもなく占う こんなtweetが流れて来た。 “It is known that doctors provided assistance and were near Putin for three hours, and after the president’s condition improved, they left his chambers.” https://t.co/p6tqoSXVLI— IJR (@TheIJR) Jul…

陰陽師と差別

安寿と厨子王 森鴎外が『山椒太夫』を上梓した直後くらいに柳田國男が『山荘太夫考*1』を発表して、山荘=さんそう→さんじょ=算所であるとして、ほぼ断定的に山荘太夫とは陰陽師の集落の長官(太夫)であったとしている。現代の研究によれば勿論、柳田は間…

真太陽時の計算

Swiss Ephemeris を使う 今、四柱推命の命式作成について色々考えている。まず二十四節季を定気にするか恒気にするか、とか均時差入れるのか入れないのかとか、色々選択肢を作っていく必要がある。 定気の節季については、かなり前に1900-2100年くらいの範囲…

正確な不定時法

惑星時間で考えた こんなtweetをした。 コレは今度、Fortuna Moonで開かれる桜井先生の講義『惑星時間』のちょっとした応用です。https://t.co/ehoJh6yt5v https://t.co/OX4DxiQhGU— 北斗柄@野巫の六壬者 (@hokutohei) July 11, 2022 惑星時間(Hour Ruler)…

煞と罡

この2文字を最初に見たのは 私が煞と罡の2文字を最初に見たのは水滸伝の『天罡地煞』だったと記憶している。日本ではあまり馴染みのない文字だ。煞に関して言うと、既に泰山全集の頃から煞は殺と書かれるようになっている。ただ中国では煞が依然として使用さ…

誤占の弁

赤松健、当確 開票始まった直後に赤松健に当確が出たそうだ。先日の『案外バズった』のエントリで、 この吉と凶のどちらを重く見るかで、この課式の吉凶が決まる。残念だが、やはり夾剋の凶は重いのではないかというのが今の私の判断だ。 と書いたので、完全…

三元九運

再来年から下元九運 風水では三元九運ということをいう。1元は干支1回りの60年で、この60と紫白九星の9の最小公倍数は180になる。紫白九星それぞれに180を均等割りすると20になる。 ということで風水では180年を1つの周期とする。また元でいえば3つの元にな…

誤占の弁

かなり慌てていたみたいだ 安倍晋三元総理が狙撃されたと聞き生死を占って、こんなtweetをした。 安倍晋三が撃たれて心肺停止ということで、壬戌日渉害課見機発用丑日鬼将太陰、中寅、終卯。一命は取り留めるか。— 北斗柄@野巫の六壬者 (@hokutohei) July 8,…

魁罡日

割と有名な神煞 多分だけど、新章文子さんの『四柱推命入門』で三島由紀夫が魁罡日生まれと紹介されたせいだと思うのだけど、魁罡は割と有名な日の神煞*1だ。前の指年法のエントリで書いたように、魁罡は六壬の黄道十二神の河魁と天罡の総称だ。そして河魁は…

案外バズった

赤松健を応援している 赤松健は『マンガ図書館Z』を運営していて、絶版になったマンガをCM付で読むこともできるしPDFで購入することもできる。今の収益がどうなっているかは知らないけど、『マンガ図書館Z』を身銭をきって始めたことについて高く評価して…

指年法

京都大学図書館本 『占事略决』の写本の1つが京都大学図書館にありデジタル・アーカイブで公開されている。この写本は現存する4つの写本の1つだ。京都大学図書館に寄贈された『清家文庫』に含まれていた。清家文庫というのは京都大学による紹介では、 清家文…

今回も乗ってはみたけど凶だった

解説篇 木下先生から大火球についての報道があったので占えとの諮問があったので占った。 占今日癸丑時加酉。徴明臨丑為用、将勾陳。中、從魁天空。終、小吉太常。卦遇聯茄。推之、用夾剋凶也。戌亥方有兵乱乎。間伝逆行而向明、遅滞雖兵乱収束。辰戌年男女…

天下両分之祥也

壬申の乱 以前の『天武天皇の式占』のエントリで、壬申の乱で直接の戦闘が始まる前に、夜半に天を二分する黒雲を見た天武天皇*1が、奇異に思って自ら式盤を取って占った話を取り上げた。この時は、日の干支がどの時刻で切り替わるのか不明だったので、遁甲卜…

『楊救貧の帝王風水』を読みながらダラダラ考える

風水の源流 『実証! 風水開祖・楊救貧の帝王風水』が手元に届いたので読み始めた。著者は中華易経風水命理協会の理事長を務める張玉正氏だ。翻訳は知人でもある林秀靜さんだ。 読み始めて楊公についてずいぶん認識を改めることができた。風水の源流の1人どこ…

占考のフォーマット

ちょっとした遊び 陰陽道研究家の木下先生は時々遊びでこんなtweetをする。 阿波で地震陰陽寮は地震奏を疾くあわせて占わせしめよ— takuhiro (kinosy) (@Kino_see) June 16, 2022 私は乗りやすいので、こう返した。 占今日辛丑時加子太乙臨酉為用、将騰蛇…

救貧大仙楊公真人

楊筠松 楊筠松は仄聞するところでは水法に優れた人であり、その水法で多くの人を救って救貧先生とよばれたそうだ。風水では『山』は身分に、『水』は財と子孫繁栄に影響を与えるとされる。なので水法で貧乏を助けることができたのだろう。風水では凄く有名な…

“rectify”(補足)

やっぱり不親切だった 先日の“rectify”のエントリは、やっぱり不親切過ぎるかな、ということで色々補足していこうと思う。まず中島君の命宮が紫微+破軍でオッケー出したのは破軍星が芯の強さを与えてくれると判断したからだ。 そして夫妻宮が無正曜なので対…

“rectify”

生時創造 占い用語の“rectify”は多くの場合『生時推測』の意味で使用される。ただ“rectify”の本来の意味は『修正』なので『生時修正』の方が相応しいだろう。紫微斗数とかで稀にあるけれども、計測された出生日時で出した命盤だと当人とまるで合わないことが…

廉貞と貪狼

椎羅教室を見学した 5月29日に東アジア恠異学会で発表を終えて三宮で一泊して、翌30日に西宮の椎羅教室を見学した。最近はもっぱら資料批判を含めた『紫微斗数全書』の購読をやっているとのことだった。それでも実占に役立つ話も沢山聞くことができた。『紫…

さそり座と“chariot”

“tank”じゃない方の戦車 黄道十二星座のさそり座は中国の二十八宿では幾つかに宿に分解される。α星のアンタレスとその両隣の星を合わせた3つの星が心宿、サソリのツメを構成する4つの星が房宿となっている。星図はWikipediaから拝借して心宿と房宿の説明を付…