救貧大仙楊公真人

楊筠松

楊筠松は仄聞するところでは水法に優れた人であり、その水法で多くの人を救って救貧先生とよばれたそうだ。風水では『山』は身分に、『水』は財と子孫繁栄に影響を与えるとされる。なので水法で貧乏を助けることができたのだろう。風水では凄く有名な人なので、中国版のWikipedia*1には『楊筠松』の項目があった*2

それによると、筠松は号で、諱が益で字が叔茂だそうだ。時代的には唐末の人で最終的な官位は金紫光禄大夫とされている。金紫光禄大夫は正三品*3なので、れっきとした高級官僚だ。黄巣の乱で都の長安が破壊されたのを切っ掛けに出家*4したそうだ。在官中に学んだ風水の知識を使って、不穏な世相の中で多くの人を助けたことで救貧先生とよばれて、今では救貧大仙楊公真人の名まである。

楊筠松の著作として『天玉経』、『青囊奧語』、『都天宝照経』等が伝わっていて*5、風水の源流の1人だ。そして通書に載っている楊忌ないし楊公忌も楊筠松にちなんだ忌日だ。楊公忌は普通の人にとっては問題の無い日なのだけど、風水師にとっては羅盤を出してはいけない日だ。少なくとも私は陳俊龍先生からそう習った。楊公忌は普通の人には関係ないので、通書によっては記載がないかもしれない。もっとも陳俊龍先生から妙派風水の択日を習った時に指定された蔡進歩堂編纂の通書*6にはちゃんと出ている。

今年の3月13日の下の方に赤で囲ったところに『楊忌』とある。

この 楊筠松の風水を解説した『実証! 風水開祖・楊救貧の帝王風水』が出版されたそうなので注文した。書評を見ると水法を詳しく解説した本ではないみたいだけど楽しみにしている。

*1:維基百科

*2:英語版にもあるらしい。

*3:日本だと正三位か。

*4:仏教じゃなくて道教

*5:誰かが楊筠松に仮託しただけなのかもしれないが、唐の頃の話なのでよくは分からない。

*6:通勝、永經堂と廣經堂の2ヶ所から出版されている。最近はUSAのamazonから購入している。