喉牙舌歯唇

中国の音階は四七抜きの五音階だが、人間が発する声も五分類されている。その分類は声が作られる位置を基にしている。右図は頭部を鼻梁を通って左右に分割した時の断面図になる。
まず声帯で気柱に基本的な振動を与えた後に、喉の部分で音声を作る『喉音』がある。
これは、日本語だとア行、ハ行、ンになる。次が『牙音』で、舌と咽頭の辺りで気柱を制御して作る声音で、日本語だとカ行、ガ行になる。次が軟口蓋と舌の間を通る気柱を制御して作られる声音の『舌音』だ。タ、テ、ト、ザ、ズ、ゼ、ゾ等のヘボン式ローマ字で子音が "t" や "z" になる声音だ。
次が『歯音』で、舌と歯ないし歯茎の間を通る気柱を制御することで作る声音だ。サ行、ナ行、ラ行とチ、ツ、ジ等のヘボン式ローマ字で子音が "ch"、"tz" や "j" になる声音だ。最後は『唇音』で上下の唇や唇と歯で気柱を制御することで作る声音になる。マ行、パ行、バ行、ファ行、ヴァ行の音になる。
5つあるものは五行に対応させられるが、伝統的には音楽の五音と共に以下のように対応させられている。
| 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
|---|---|---|---|---|
| 牙 | 舌 | 唇 | 歯 | 喉 |
| 角 | 徴 | 宮 | 商 | 羽 |
この対応関係は、以前の『五音と五行』のエントリで書いたように、河圖や五行の生成順序から来ているのだろう。
ところが、これとは全く別の五行との対応関係を記した秘伝の口訣がある*1。
辰水牙木歯為金、舌火喉土是為真。
面白いことに、これを声音の生成位置と対応させると、喉の方から前に向かって土木火金水となる。これは日月を抜いたカルディアンオーダーと一致している。多分、偶然ではないだろう。やはり音と西洋占星術になにかしら関わりのある時代があったのだろう。
*1:これを伝授して下さった陳俊龍先生にはブログで使っても良いと了解を得てある。






