(ゆるっと)東洋占術を語る会第二回

私にとってのFFORTUNEの成功と失敗

5月末から色々あってリフレッシュの必要を感じたので『東道後のそらともり』で1泊することにした。なので今回の『(ゆるっと)東洋占術を語る会』は宿からの参加になった。

ちなみに松山近辺の人間が単純に温泉を楽しむとしたら、道後の本館とかじゃなくて東道後を選ぶ。昔は日帰り温泉とか幾つかあったけど、今は東道後の名を冠するのはホテルタイプの『東道後のそらともり』とスーパー銭湯風の『東道後温泉 久米之癒』の2つくらいみたいだ。もっとも近辺の鷹ノ子温泉とかも東道後ではある。

『東道後のそらともり』は写真のように、各部屋に半露天風呂が付いているので、部屋にこもって他人を気にせずにノンビリできる。今回の『(ゆるっと)東洋占術を語る会』は放課後タイムもあって23時をかなり回っての御開きになった。途中、NIFTY-ServeのFFORTUNEでの成功と失敗について考えることになった。

今から反省するならいくらでも反省のネタはあるけど、当時としては割と上手くやれたんじゃないかと今でも思っている。ただFFORTUNEや東洋館のFFROTEでは多様性が少なくなってしまったわけで、これは当時から何となく思っていた。つまりFFORTUNEやFFROTEが白黒付ける場になってしまって、様々な説を集積する場としては極めて弱くなるようになってしまったわけだ。

ただこれも言い訳はある。FFORTUNEやFFROTEには「オレ本物、お前等偽物」と言いたがる連中がよく来ていたので、それを叩き潰す過程で、自然と白黒付ける場になってしまったというのはある。ま、言い訳だけど。

射覆

で、今回は射覆があった。急いで課式を作った。戊午の陽日なので干上神を見るのが射覆の定法になっている。この課式では干上神がそのまま発用に立っているので、干上神を中心に三伝を見ていくことになる。

金行司令なので、干上神の子の水行が季節に相なので色は児色の青と見当をつけた。青龍が乗じているので、よく動くもの*1だけど、まずは(翡翠の)龍の置物からいってみた。
当然、外れ。

ヒントが出て「丸いモノ」ということだったのだけど、そこからは先に進めなかった。正解は『地球儀』で、青くて丸くてクルクル回るものを課式はしめしていたらしい。

ただ三課支上神と干上神は子-丑の大地の支合なので、それと丸いモノのヒントを合わせると地球儀が出やすかったかもしれない。射覆も定法はあるけど定法が万能なわけでもないのだろう。

*1:金銭は最初から除外した。

全音階とピタゴラス音階

7つの白鍵と5つの黒鍵

どうも音楽は実践・理論諸共に得手ではないもので、色々グルグル回って鍵盤楽器では白鍵が7つでと黒鍵が5つ*1の理由がやっとわかった。最初に七音音階の全音*2があったわけだ。全音階では、基音とその倍音の間を、全音が二つ、半音、全音が三つ、半音という7つの音に分ける。8番目が基音の倍音になる。そこからオクターブ*3倍音の意味を持つようになった。
で、「なんで7つの音なの?」ということになると、世間じゃどうか知らないけど術数家なら答えは決まっている。

古典的7惑星にちなんでいるからだ。

これしか無いよね。で、「全音が二つ、半音、全音が三つ、半音の順で分割するのは何故か?」となれば、カルディアン・オーダーを考えてみれば分かる。

古典的7惑星に中でも特別な太陽と月に半音上昇を割り当てた*4からだ。

ということになる。中国では*5太陽と月を除外した5音階になっているけど、半音上昇の太陽と月の音が除外し易かったんじゃないかと想像している。

そして何故か洋の東西を問わず、3分損益で作った12音のピタゴラス音階が基礎になっている。12となれば黄道十二宮と十二支が出て来る。12音に割り付けてみるとこんな感じになる。全音階の惑星とか、中国の5音階も割り付けてみた。
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基音を“ド”とすると、子と辰の音は長音階の和音である“ド”と“ミ”を構成しているけれども、申-子-辰を一度に鳴らしても“ドミソ”の和音にならない。これは全音階では“ミ”みから“ファ”への上昇が半音であることに起因している。グランド・トラインが必ずしも吉ではない、は音階を考慮すると説明できるのかもしれない。

また断易の納甲ないし納支における乾卦の特殊性も、午の音が黒鍵になっていることから説明できる可能性もある*6

*1:白黒入れ替わっていることも。

*2:全音階-Wikipedia

*3:octave”→8を意味する接頭辞の“oct-”から始まっている。

*4:月の場合は半音上昇で倍音になるのだけど。

*5:日本もそうだし、現代日本の演歌もそうだ。

*6:陰卦では納甲ないし納支が十二支を逆に回るので、長女の巽卦でピタゴラスのコンマを乗り越えることになる。そのため坤卦を含む陰卦では別扱いは放棄されている可能性はある。

九宮貴神

飛泊するもの

太一*1、摂提、軒轅、招揺、天符、青竜、咸池、太陰、天一*2は九宮貴神と総称されている。天符と太陰を除くと全てが実在天体の名前だろう。

招揺と摂提は北斗の柄の3星から採られている。招揺は破軍星の古名だ。軒轅は黄帝の名前だけど、軒轅という星も実際にある。太乙は歳差運動のせいで今は外れてしまったけど昔は北極星だった。

青龍と天乙は様々なものが折り重なっているけれども、やはり星から来ている。@nifty時代に玄珠さんが確か『さすらいの天乙』という連載をしていた記憶がある。このシリーズは術数研究の泰斗である李零教授の説を引きながら、天乙や青龍で表記される折り重なった象を丁寧に紐解いて行く労作だ。

なお太陰は月のことではなくて歳星の陰である太陰だろう。咸池は古い凶煞で災煞もこの名前でよばれていた時期があったと記憶している*3。多分、この名前の星もあるんじゃないだろうか。天符は知らない。

で、この九宮貴神は太一、摂提、軒轅、招揺、天符、青竜、咸池、太陰、天一の順序で飛泊するので、紫白九星の原型ではないかという話もある。まあ実際、図にしめした定位を考えると以下の対応関係はあるだろう。

九宮貴神 太一摂提軒轅招揺天符青竜咸池太陰天一
紫白九星 一白二黒三碧四緑五黄六白七赤八白九紫

ただ紫白九星が本来持っていたであろう吉凶と九宮貴神のそれとは食い違いがあるし、飛泊するのに洛書の魔法陣の数字が名前に入ってないことを考えると、表記の古めかしさから安直に九宮貴神が紫白九星の古い名前とは言い難い所があるのは事実だ。

*1:太乙

*2:天乙

*3:あんまり当てにはならないけど。

四柱推命学極意秘密皆伝

この本から始まった

山伏だった祖父とは面識がなかったが、祖父の33回忌の時に遺品の中から藤井佐兵衛商店*1から郵便で来た阿部泰山の出版案内を見て問い合わせの手紙を書いたのが、占術研究にのめり込む切っ掛けだった。返信では「問い合わせの書籍は既に絶版だが、京都書院から出ている泰山全集に収録されている。そちらに問い合わせて欲しい。」ということで、泰山全集で最初に入手したのが、17巻『四柱推命学極意秘密皆伝』と16巻『天文易学六壬神課初学詳解』*2の2冊だった。

四柱推命学極意秘密皆伝』は藤井文政堂から上梓した天地人の3巻をまとめて1冊にしたもので泰山全集の前に書かれた本だ。泰山全集で解説された四柱推命のエッセンスが詰め込まれている。泰山全集の中の全書といった趣がある。中学時代に貪るように読んだ。私の四柱推命の骨格は『四柱推命学極意秘密皆伝』で形作られたといって良いだろう。

この本で泰山は、通変に固有の吉凶を求めるのは少々古いとしている。そして通変の吉凶は身の強弱で変化することを説いている。扶抑という言葉こそ出てこないものの、明らかに扶抑を論じている。
なので透派子平と出会った時も、格局の吉凶を身の強弱で定めて、その扶抑で喜忌を決めるというのに全く抵抗が無かったのを記憶している*3

具体的に例を挙げてみる。『四柱推命学極意秘密皆伝』の天の126頁には、

三、身旺か身弱か、通変星の喜忌を定める。
四、四柱五行の大過であるか不及するか中和して居るかすべて輕重を視*4る。

とある。扶抑の話なのは間違いないだろう。今回、ザっと全集を見返してみたけれども、調候で十干の喜忌を論じているのは『欄江網』を解説した6巻『四柱推命学調候用神大法』くらいなもんだった。なお『四柱推命学極意秘密皆伝』で扶抑の次に重要視されているのは命式の清濁だと思う。以上が私が泰山全集の四柱推命についての印象なんだけど、どうも世間じゃ違うらしい。

というのが、泰山流の武部泰莞先生がアメブロの『阿部泰山全集について』のエントリで、こんなことを書かれていたからだ。

現在の泰山流の四柱推命を学んでいるわけですが、阿部泰山全集に書かれている内容は現在のものとは大きく異なるものです。

例えば、阿部泰山先生の用神は扶抑の視点を欠く、ある意味純粋に調候用神重視のものです。

また、財官印、つまりお金と名誉と先祖の徳があれば良いという考えが散見される等、先生本人の中で体系化がなされていないのではないかと思われるところもあります。

私の場合独学だし、読み方が変なのかもしれない。

命式の清濁

お恥ずかしいことに今の段階では命式の清濁がちゃんと理解できてない。『四柱推命学極意秘密皆伝』を読み返していて発見があった。
官殺混雑という、正官と偏官の両方が出ている命式は凶命として知られている。『四柱推命学極意秘密皆伝』では官殺混雑を濁として、食神で偏官を尅す、もしくは正官を傷官で尅すことで混雑の害を除くことができるとしている。つまり濁から清になったというわけだ。清濁の理解が少し進んだ気がする。

昔は理解できなくて読み飛ばしていたのだと思う。今は少し理解できるようになったので読むことができたのだろう。

*1:山城屋文政堂藤井佐兵衛あるいは藤井文政堂だったかもしれない。

*2:この本で初めて六壬に出会った。面白い術だけど、時刻で立課する占術が本当に使い物になるのか?が第1印象だった。

*3:扶抑って用語があるんだ、便利だな、と思った。

*4:古い字体だったがグリフが無いので現行のグリフを使用した。

開運色々、方位色々

開運法は様々

占いと開運法は切っても切れない関係にあると言えるだろう。占って凶と出た時、

凶ですか、分かりました。
諦めます。/やめます。

で、済ませることができる人ってどれくらい居るのだろう。凡夫には無理なんじゃないだろうか*1。で、開運法を考えることになる。そして占術はどれも開運に使うことができる。例えばゲタを蹴り飛ばした時の裏表で吉凶が99.9999%の確率で占うことができるような術があったとしたら、選択肢を総当たりで吉凶判定させることだってできる。

まあここまで極端でないにせよ命占だって吉凶判定を行う以上、吉の象を取って凶の象を避けるようにすれば立派に避凶趨吉になる。つまり開運法だ。四柱推命なんかだと、手っ取り早いのは吉の五行に対応した薬を服用することだろう。もっとも外した時の副作用も大きいだろうから、あまり御勧めはしない。紫微斗数だと四化星という便利なものがある。日帰り旅行は兄弟宮の象でもあるから、兄弟宮の宮干からの化禄、化科、化権、になる星が入った宮の十二支でしめされる方位とか使うことができるだろう*2占星術なら惑星はどれも宝石と対応しているから欲しい吉の象の惑星に対応した宝石を身につけるとかあるだろう。実際、インド占星術では一般的な処方だそうだ。

こういう心の外側から心に影響を与えようとする開運法の他にも、瞑想、信心などで心自体を変化させようとする手法も色々ある。インド占星術で有名なNK. ラオは、宝石や、バーストゥー(インド風水)、ホーマ(護摩)といった外部から心に作用を与える処方はしないそうで、マントラ真言)、バジャン(神への献歌)、スタンザ(詩篇)の3つを処方するそうだ。

私は外部から心に働きかける処方を『外科的開運法』、心自体を変化させようとする処方を『内科的開運法』とよんでいる。どっちにしても薬と同じで、効果のあるものは副作用もあるので素人考えでやるのは危険だと言っておく。

方位も様々

まあ日本で『方位』といったら移動の方位なんだけど、ちゃんと風水をやったことのある人なら屋内にも様々な方位があるし、ベッドの置き方、布団の敷き方で坐向の方位が発生し、それぞれに吉凶象意があるのは理解していると思う。こういう様々な方位を体系的にまとめたのが昔書いた『一般方位論』だ。結構高く、値段設定して鴨書店に置いてもらったけど完売した。ただ鴨の女将から「ページ数の割には、ちょっと高いので本気で返品の受付を考えた」と言われたので今でもビビってる。それで追加で置いてもらうのには躊躇いがあって、今は私のPCで眠っている*3

ということで、『(ゆるっと)東洋占術を語る会』第2回は開運法がテーマです。

*1:特に色恋は占って凶で諦められるようなら色恋と言える程のものでもないだろう。占い師としては「御勧めはできませんが、行ける所まで行くしかないでしょう。」くらいが精一杯だ。

*2:昔、こんなものを書いた→『紫微斗数における飛星と方位への応用

*3:興味のある方にはPDFで頒布します。言っておきますが御高いです。

占事略决とは

占事略决を通読しての印象

8月20日福山リビング新聞社の「リビングカルチャー倶楽部」で行われた『安倍晴明〝希代の陰陽師〟の経歴』を受講してきたのだけど、晴明の著作である『占事略决』について、講師の木下琢啓先生が私を気にしてちょっと歯切れが悪かったので、私の『占事略决』への印象を書いておく。

安倍晴明が『占事略决』を書いたのは、もちろん家業としての陰陽師に必要な六壬式占の知識を子孫に伝えるためだったのは間違いない。そして『占事略决』が簡略に書かれているのは表題通り間違いない。通読するには六壬の他の古典から補って読む必要があった。

そして『占事略决』には安倍家における家伝を背景に、術の伝位*1でいう目録*2的な意味合いがあったのではないかと推測させる記述が幾つかある。例えば「十二客法第廿」では、

又有范蠡十三人法省不載。
(大意)また范蠡の十三人法があるが省いて載せなかった。

「三十六卦大例所主法第廿六」の末尾に、

右三十六卦及九用次第、家々之説各不同。又有卅五卦、六十四卦法、或一卦之下管載数名、或一卦之内挙多説然、而事繁多煩省、而不載。具存本経、以智可覧之。
(大意)右の三十六卦および九つの三伝の出し方は、家ごとに異なっている。また三十五卦や六十四卦の場合もある。あるいは一つの卦にいくつかの卦をまとめてある場合や一つの卦に対して多数の説があげてある場合もあり、これら異説については煩雑なので記載を省略した。ここでは知っておくべき卦をあげている。

これらの「不載(ここでは記載を省いた)」は、不載した部分について安倍家内では伝授が行われていたのではないかと推測している。つまり『占事略决』の伝授とは、伝位でいう目録的な意味合いであっただろう、というのが現時点での私の推測だ。

(ゆるっと)東洋占術を語る会

第1回のまとめがでました

twitterでもアナウンスしましたが、noteで『第1回のまとめ』が公開されました。第0回というべき『プレオープンのまとめ』もあります。この東洋占術を語る会のどこが『ゆるっと』なのかというとこの会では、白黒をつけることをしない、というのが前提だからです。

次回は9月7日に予定されています。
私を含めた参加メンバーの生を見るチャンスです。生の私についてということで、久しぶりにtwitterでアンケートを取ってみました。私の印象として『話しかけやすい』、『話しかけにくい』、『話してみたい』と『怖い』の4択です。

前と比べると『怖い』がずいぶん減りました。『話してみたい』と『話しかけにくい』にそれぞれ5票入ってます。全体で16票なので何ともな所はありますが、私に興味のある方は『(ゆるっと)東洋占術を語る会』に参加してみて下さい。