生時推測

亡兄の生時推測

2016年の9月7日に亡くなった兄の是明*1は、物凄く頭の好い人だった。多分、私の3倍くらい頭が好かったんじゃないだろうか*2。しかし、その能力を十全に発揮すること無く亡くなってしまった。まあ自分で不運を呼び込むようなところのあった人なので仕方がない所はあった。それでも兄が能力を発揮する場を与えなかった世間には些かの恨みがある。兄は数学科に進んで4年の時には、宝の持ち腐れになっていたミニコンを自分1人で動かしてしまうような、ゼロを1にできる才能の持ち主だった*3

心肺停止で救急に担ぎ込まれた兄の命が尽きて行くのを、ただ見ているしかなかった体験はかなりキツくて少々心を病んだ。本当にもったいなかった。兄は、1951年04月30日の生まれというのは確実だったけど生時はよく判らなかった。そこで紫微斗数で生時を推測することを試みた。兄は自分で決めたことは決して曲げない*4人だった。つまりキーになるのは廉貞星で、命宮ないし本人をしめす宮に絡んでいるのは間違いなかった。それで見つけたのが、この命盤だ。生年四化は赤で、享年の流四化は緑でしめしている。

太陰 陥
地劫 天空
流禄存


貪狼 旺
左輔 天魁
流擎羊


天同 不()
巨門 不()



小限
武曲 得
天相 廟
右弼 陀羅


太歳
癸巳 疾厄宮 甲午 財帛宮 乙未 子女宮 丙申 夫妻宮
廉貞 利()
天府 廟
文昌 得()
鈴星 陥
流陀羅
大限

松岡是明 様
1951年04月30日 12:00
辛卯年三月廿五日午刻
乾命
木三局

大限 壬辰
小限 乙未
太歳 丙申
太陽 平()
天梁 得
禄存 廟
流天鉞

壬辰 遷移宮 丁酉 兄弟宮
火星 利
天姚



七殺 廟
文曲 陥()
擎羊 廟


辛卯 奴僕宮 戊戌 命 宮
破軍 得
天鉞
天馬







紫微 平
紅鸞



天機 平()
流天魁



庚寅 官禄宮 辛丑 田宅宮 庚子 福徳宮 己亥 父母宮
第一印象を決める遷移宮に廉貞があり、兄弟宮に私の命宮主星の天梁が入っている。太陽もあるので私よりは人当りが好かったのかもしれない。念のために母に聞いてみたところ「お昼頃じゃなかったか」ということだったので生時は午刻で決まりだと思った。この命盤だと官禄宮に天馬があり、転職の多かった兄に合っている。ついでに羅式運命数値をグラフ化してみた。 f:id:hokuto-hei:20190817131438p:plain 赤くなっているのが享年の羅式運命数値で、全体的に見て危険な年の中で亡くなっているのが判る。

*1:“これあき”と読む。

*2:パフォーマンスは自乗で効くから、私の1桁上くらいのパフォーマンスを出す人だった。

*3:そういう点では、私は2を5にするようなタイプだと思う。

*4:良くも悪しくも、そして悪しくもの方が多かった。

合従連衡

中国の戦国時代

古代中国で周王朝の権威が低下し春秋戦国の時代へと移行する。春秋の頃はまだ周の権威が残っていたけれども、大国晋が韓・魏・趙の三国に分裂して戦国時代になると大国は小国を併呑して戦国七雄とよばれる秦・斉・楚・魏・趙・韓・燕と十数の小国だけが残った*1。中でも秦は商鞅を登用して法制度を整備し、いち早く富国強兵に成功する。

史記によれば*2、秦を危険視した楚・魏・趙・韓・燕の6国は同盟を結んだ。同盟を成立させたのが縦横家蘇秦で、同盟した6国が秦を包囲するように南北、縦に並んでいたところから、この同盟は『合従』とよばれている。

一方、秦は他国と二国間で同盟を結ぶことで合従を切り崩して行く。これを進めたのが、合従の蘇秦と並んで有名な張儀だ。秦を起点とする二国間の同盟は大まかに東西、横に並ぶことになるので、この同盟は『連衡』*3とよばれている。

なんでこんな話をしてきたかというと、Quoraでこんな質問があがっていたからだ。

平たく言うと、環太平洋パートナーシップ(TPP)とは何ですか?範囲と意図は何ですか?

急速な経済成長を背景に領土的野心を隠そうともしない中国への包囲網として構想されたのがTPPだと私は考えている。英語の“China”の元になったのが『秦』だと言われているけれども、合従の現代版がTPPなわけだ。中国を軸とするAIIBなんかは連衡の現代版と言えるだろう。

米国大統領のトランプは前任者のオバマを全否定することを優先してTPPから抜けてしまったけど、TPP復帰は考えてみた方が良いと思うね。

*1:春秋時代には200以上の諸侯国があった。

*2:最近の研究では、史記は現実とは異なっているそうだ。張儀-Wikipedia

*3:『衡』には横の意味がある。

御盆の棚経

見様見真似でやってみた

本日14日は、御盆の棚経のある日になっている。私の地元では迎え火は棚経の日の朝に焚くことになっている。朝、行ってきた。今年はたまたま旧七月朔が8月1日だったので、七夕が7日*1で、御盆が15日ということになる。しかも十五夜がきっちり満月なんだけど台風10号がやってくる。空気の塊のくせに空気読めてないよね。

で、棚経の日には仏壇に御霊供膳という御膳のミニチュアを供えることになっている*2柳田国男の『妹の力』とかを読むと、こういう神仏関係の家事は女性が差配するものだったんじゃないかと思うけど、母は入院中だし仕方がないので見様見真似で私がやってみた。
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こんな感じ。2膳でセットになっている。仏壇に供えると、こんな感じ。
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仏さんに御供えするので箸が奥側になるように置いている。

関係ないけど、某所から伊予灘を写真に撮ってみた。判り辛いけど、遠くに島が幾つも見える。こういう海を見て育ったので島の無い海を味気ないと感じてしまう。
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*1:半月が綺麗だった。

*2:実家では御霊供と言っている。

沙悟浄と猪八戒についてダラダラと

頭に皿を乗せた水怪は中国にいないよね

日本で西遊記沙悟浄というとカッパで固定化されているけれども、中国古典文学大系の挿絵に出てくる沙悟浄は色黒の入道になっている。まぁ頭に皿を乗せた水怪は中国にいないということだ。沙悟浄は流砂河という流砂を根城にしていて玄奘三蔵の前世である僧を何代もに渡って喰らってその髑髏をつないだものを首飾りにしているという設定になっている。この流砂河がいつの間にか水が流れる河になってしまったために、沙悟浄は水怪ということになってしまった。日本にくると水怪→カッパだろ、で沙悟浄はカッパになってしまった。ちょっと気の毒な感じがする。

それと沙悟浄の前身は深沙大将という護法神で、現実の玄奘三蔵は難所である流沙河で深沙大将の幻想を見て、深沙大将に励まされたと自らの著書である『大唐西域記』に書き残しているそうだ。なので玄奘三蔵の最初の御供は沙悟浄ということになる。

天蓬元帥

で、猪八戒だけど、玄奘三蔵の御供としては一番最後に加わった感じだ。元々は銀河の水軍を指揮する提督として、天蓬元帥とよばれていたことになっている。実は奇門遁甲の盤の要素に九天星がありその中に『天蓬星』があり、天蓬星の定位は坎宮で坎宮は北方に位置し五行は水となる。つまり天蓬星は水と関連しているので銀河の水軍の提督となったのだろう。

それと猪八戒は『木母』とよばれることがある。例えば100回本の西遊記の32回のタイトルは『平頂山功曹伝信 蓮花洞木母逢災』となっている。意味としては「平頂山で功曹(という使い走りの神が)情報を伝え、蓮花洞で猪八戒が災難に逢う」だ。さて猪八戒は豚が混じっているので十二支は亥ということになる。五行の木は亥に生まれ、卯に旺じて、未で墓に入る。また亥は水行で木行を生じる。つまり亥は木行の母ということで、猪八戒には木母の別名がある。

猪八戒の武器は『九歯の馬鍬』なんだけど、中国古典文学大系の挿絵を見ると太い釘バットみたいな感じで鍬には見えない。

こういう話も沢山あるので、原典に忠実な訳の西遊記は一読する価値があると思うよ。

概ね果然であった

母の転院が決まった

転倒して股関節骨折で入院した救急病院の地域連携のスタッフの御尽力で、母を受け入れてくれるリハビリ病院が決まった。昨日、患者家族の面談ということで出向いたのだけれど、もう受け入れ確実という感じで転院日まで決まった。以前のエントリの『占うしかなかった』で、占うまでもなく第1候補だった実家と同じ市内*1の病院Aだ。占ったと書いたエントリで、

不思議なことに、さぁこれからどうしますかね?の初爻とか、今となってはちょっとねぇ?の上爻とかばっかりでた。病院Fだけが五爻だった。多分、病院Aか病院Fで決まっちゃうんじゃないかな。

と書いたけど、1発目の病院Aで決まったので、概ね果然であったという所だろう。

兄の葬儀とかも含めて、自分にとって重要な事柄を外さなくなってきた感じがする。私の周易もちょっとは格好がつくようになってきただろうか。

*1:平成の大合併の御蔭で実家のある市もずいぶん広くなったけどね。

風水という言葉を乱用する人達

目についた所で4人くらい

小林祥晃さんから始まった『風水』という言葉の乱用は様々な所に波及している。ちょっと軽め、つまり九星の家相を風水と言い張る人から始めるとしましょうか。まずは乱用を始めた小林祥晃さん。

Dr.コパの終活開運法「人脈の頂点にいることを自覚せよ」』という記事で、こんなことを書いている。

まずは、家の中の方位別に司る運気を紹介しよう。

  • 東…仕事、チャレンジ精神
  • 南…才能、人気、美しさ
  • 西…実り(金運)
  • 北…信頼、秘密、男女の愛

こういう方位毎に象意を固定した見方は家相であって風水とは違うよね。相も変わらず九星の家相を風水と言い張っているわけだ。まあ風水は自分を取り巻く静的な環境の吉凶を論じるものなので、風水の一流派と強弁できなくもないけどね。

で、同様なのが直居由美里さん。『風水で見る「健康に過ごせる家」って?玄関や寝室に気を配ろう』という記事でこんなことを書いてる。

「気の入り口である玄関は、風水では最も重要なエリア。あらゆる運気を左右します。陽の気が溢れる南東が吉とされ、東や南も好ましい。逆に、鬼門の北東や裏鬼門の南西は避けたいですね。

まんま九星の家相だよね。風水だと玄関は便利の好い向きに付けて、それによって決まる理気に合わせて間取りを決めるものだと思っていたけどなぁ。それと『中国4000年の環境学ともいえる風水』とか書いてるけど、九星の家相が出現したのは幕末あたりなので、せいぜいが200年くらいの歴史です。まあ、中国4000年も結構なフカシで、風水の言葉の元になったと言われている郭璞によるとされる『葬経』*1が文献的に遡れるのは宋の時代なのだそうで、文献的に確実なのは1000年くらいみたいだけど。

で、ここからは、もっと酷い乱用の例になります。もう風水の本来の意味からかけ離れて、風水=占い、くらいの感じで乱用してる。月香さんという方の、『人やモノを動かす! 暑中見舞いに秘められたパワーとは』という記事なんだけど、このタイトルで風水の記事らしいです。こうあります。

文月(ふみづき)ともいわれる7月。暑い夏は火のエネルギーが強いときです。火のエネルギーは、伝える力、目的達成の力が強まります。今回は人やモノを動かして開運する暑中見舞いの風水術です。

ね、風水術とあるでしょ。で、書中見舞いと風水になんの関連があるのでしょう。ついでに言えば、7月の後半は土用なので土が強く火は休に入っているのですけどね。それと文月は太陰太陽暦に基づいた呼び方なので、7月は水無月とよんでもらいたいなぁ。

次はもっと凄いです。小池雅章さんの『宇宙風水 星の動きを知れば、すべての幸せは手に入る』ですよ。宇宙風水、風水の別名の『地理』はどこに行ったのでしょうか。目次を見ると占星術みたいでしたが。

ちょっと目についただけでこうなので、他にも一杯あるんでしょうね。

*1:郭璞が『葬経』を書いたという確実な証拠はないらしい。

サルーンのスィングドア

門と戸

奇門遁甲には、八門、天三門、地四戸、私地門や天門地戸といった門や戸を含む用語が沢山ある。『門』も『戸』も何らかの境界上に位置して、通常は閉じているけれども必要な時に開くものだ。『戸』は片開きの構造で、『門』は『戸』を二つ並べて一つを反転させて両開きにしたものだ。甲骨文の門や戸を見ると、それが好く解る。


甲骨文の門

甲骨文の戸
ウィクショナリーから拝借

まあでも、私が甲骨文の門を見て真っ先に浮かんでくるのは、西部劇に出てくるサルーンのスィングドアなんだよね。こんなの、


swinging cafe saloon doors.wmv