まるでウイルス模型

道教の祭式

さて天理参考館で『神仙思想と道教』を見学してきたわけだけど、まず天理参考館の威容に驚かされた。

なんか天理にあるだけのことはあるな、という印象を受けた。
夏休みに入ってるせいか親子連れも沢山した。道教の祭式や扶乩(フーチ)を撮影したビデオもあって中々面白かった。
道教の祭式では道士が神降ろしの準備で壇を清める所作を映していたのだけれど、これがまた長い。それでも一部だったので道士も大変だなと思った。

道観は道士・法師と童乩(タンキー)によって運営されているみたいだ。童乩は神降ろしの時に依代になる。徳島の御師匠さんが台湾で見た話では、おじさんの童乩でも女神が降りて来るとシャナリシャナリした感じになるそうだ。台湾だと童乩は男性が多いような気がする。日本の神社も古くは神降ろしの依代となる巫女さんと神職の組み合わせで運営されていたんじゃないだろうか。

台湾の童乩は神が降りて来た証拠として、祭式用の道具で自らを傷つけて見せて、神が自分に降りて来たので痛みがないことを証明することがあるそうだ。当然、傷から流れる血を見せるためもあって上半身裸でやる。
この時に使うのが、ノコギリザメの鼻先みたいな『沙魚剣』や『刺球』だ。

写真は図録のものだ。『刺球』は初めて見たのだけれども、まるでウイルスの模型だ。

2022-09-01追記

『沙魚剣』は“みたいな”じゃなくて、本物のノコギリエイの鼻先だそうだ。