荼枳尼天

豊川稲荷


諸事情あって今回の帰宅は豊川稲荷の近くを通ることになった。なので挨拶に行った。聖天さんとか荼枳尼天の御稲荷さんとかは下手に願い事をすると後の付き合いが難しいので、挨拶はしても願い事はしないことにしている。豊川稲荷曹洞宗妙厳寺の中に祀られているので妙厳寺の寺紋である抱き沢潟が総門の提灯に描かれている。

荼枳尼天のもとになったインドのダーキニーはジャッカルに乗るのだが、日本にはジャッカルがいないのでキツネに変わったようだ。キツネは稲魂の神である稲荷神の眷属なので、荼枳尼天もキツネを媒介として稲荷とよばれるようになった。ダーキニーは死者の心臓を食べることが許された存在だが、荼枳尼天は死者のキモを食べる。これについては「死ぬまでに重ねた悪行の因縁がキモに蓄えられているので、それを荼枳尼天に食べてもらうことで成仏できる」という考え方もあるらしい。

異端の神道家で革命家でもあった金井南龍は、地球を魂の煉獄とした。彼方の星々はそれぞれ神界をなしていて、そこでやらかした魂が地球で修行をやり直す、というのが金井南龍の地球感だった。地球の屋敷神である国常立命は、地球を煉獄として様々な神界に使用させる代償に、修行に失敗した魂の根幹を食べることが許されているらしい。金井南龍は、このことから国常立命荼枳尼天を同体とした。

なので金井南龍によると、地球の幽界にいるのは荼枳尼天の喰い残しである魂の付属物だけで、ちゃんとした魂は死後肉体を地球に返した後は真っすぐ元の神界に帰ってしまうのだそうだ。あんまり救いがない。

余談だけど金井南龍はUFOについて、やらかして地球にきた自分達の子供や仲間の修行の様子を見るために元の神界が飛ばしてきてるものと言っていた。