失物を占って独足課に出会う

稲荷巻を探す

稲荷巻というのは、豊川稲荷門前の土産物屋で買った煎餅のことだ。まあ味としては普通の甘い煎餅だが焼きたての柔らかい間に巻いた巻煎餅だ。見た感じとしてはデカめのうまい棒という感じだろうか。

食べてみると巻いてできた中心の隙間に砂糖を練ったものが入っていた。豊川稲荷の門前で売っているだけあって、如意宝珠とか色々な図や文字が焼き付けられている。

実は駐車場の料金精算で 1000 円札が必要になったので 5000 円札を崩すために急遽購入したのだけれども、個人的には案外ヒットの品だった。

夕食の支度をしながらツマミ食いしようとキッチンに持ってきたはずなのだが、何故かキッチン周辺で見当たらない。

そういえば豊川稲荷らしいヴィジュアルなので、食べる前に写真撮って twitter(X) にあげるかと思って移動させた気もする。ただ普段座っている PC 周辺でも見当たらない。

ツマミ食いは諦めて夕食後にちゃんと探すことにした。

改めて色々探したけれども見つからないので六壬に問うことにした。

己未日なので五重日だ。賊剋がなければ八専課になる。そして賊剋は無かった。やはり八専課ということになる。八専課の発用は陰日であれば四課の跳退、陽日であれば一課の跳進になる。

己未の陰日なので、四課亥の跳退で酉が発用になる。中末伝は八専課だとどちらも一課を採るので中末伝も酉になる。

三伝が全て酉の八専課は独足課という名前がある。天将の配布を別にすれば、720課の中に独足課は1つしかない。

珍しい課式引き当てたものだと思いながら、ふと振り返ると稲荷巻の袋に入っている赤い紙片がチラリと見えた。何のことはない。写真を撮るかと持ってきたのはよいけれども、夕食の支度のためにセーターを脱いで稲荷巻の上に置いてしまったので見つからなかっただけだった。

独足課は孤独の象と言われているけれども、そういうのとは無関係に見つけてしまった。課式を読み解いて見つけたわけではないので、何となく徒労な感じがした。

なお八専課では中末伝は一課を採ることになっているけれども、これは結果論だろうと考えている。賊剋が無い場合、中伝には陰、末伝には陽を採ることになっている。この場合の陰陽は、陽日は一課が陽で三課が陰、陰日はその逆で一課が陰で三課が陽になる。ただ八専課は日干寄宮と日支が同じなので一課と三課が同じということで、中末伝はどちらも一課を採るとされているのだろう。

疑問に思っているのが別責課でも中末伝にどちらも一課を採っていることだ。五重日ではないのだから昴星課と同じように中末伝を採るべきではないだろうか。