底知れぬ暗闇の悪意
tweetがバズったので問わず語りをすることにした。私からの一方的な話になる。まずはバズったtweetとその前の関連するtweetをあげておく。
その昔、NIFTY-Serveでは、運営がクレカ情報握っていたけど、炎上、誹謗、成り済まし、全部発生していたんだよね。pic.twitter.com/NBZV6PTjHk
— 北斗柄@生涯六壬者.多分 (@hokutohei) May 31, 2020
重ねて言おう。NIFTY-Serveはアカウント作るのにクレカ情報を差し出さないといけなかったけど、それでも、誹謗中傷をトリガとした訴訟がPC通信とはいえネット上で初めて発生した。ネットニュースのfjは実名主義でみんな実名と所属を出しながら日常的に炎上してた。匿名実名とか無意味。
— 北斗柄@生涯六壬者.多分 (@hokutohei) May 31, 2020
確かニフティの課金の支払方法には銀行振替もあったと思うけれども、大多数がクレジットカード決済だったと思う*1。同じクレジットカードでアカウントを複数作成することも可能だったけれども、クレジットカード自体がパージ対象になった場合、そのカードでは半年くらいはアカウントを作ることができなかったと記憶している。
ニフティは実名がデフォルトで、フォーラムとよばれるエリアではハンドルを使うことができた。フォーラムは言ってみればモデレータがいる2chの板みたいなもので、そのフォーラム毎に会議室とよばれる2chのスレッドと同様な発言とコメント・ツリー群を10個作ることができた*2。各フォーラム毎にフォーラム・マネージャが1人いて、このフォーラム・マネージャはニフティと直接契約していて、フォーラムのアクセス量に応じたキックバックがあった。ニフティの全盛期にはこのキックバックはフォーラムによっては、かなりの金額になったこともあるそうだ。
閑話休題、フォーラムではハンドルで通すことが出来たけれども、BBSというエリアではハンドルでの投稿は実名を公開することが前提だった。なんでもあまりの無法地帯だったので、それを牽制するための措置だったらしい。でも実名を公開してハンドルで投稿し、投稿修了後に非公開に戻すという方法によってこの措置は尻抜けになってしまった。もっともニフティへのアクセスを自動化して、投稿があったら実名を確認するというツールが対抗策として開発された。これで実名を抜くことができると、自動的に大まかな住所も知ることができる。そこでNTTのエンジェルラインで電話番号を抜くことを試みるというわけだ。私はこの手法があることを知って、自宅の電話番号を電話帳に載せるのをやめた。
こういった手法が開発されるということは、ネットの揉め事のパターンはニフティというPC通信の世界でだいたい出揃っていたということだ。炎上、成り済まし、誹謗、そして目障りな相手の個人情報を抜いての脅迫*3、とかね。そういえば実名でやってる有名な荒らしもいたりした。なので、実名制にしたらネットがマトモになるなんて、私は毛の先ほども思ってない。どちらかというと個人情報を抜かれての脅迫に備えて匿名にしておいた方がマシだと思ってる*4。
で、2chの台頭であっという間に風化してしまったけれども、ニフティの『現代思想フォーラム(FSHISO)』で、日本のネット上で初めての訴訟沙汰が起こった。私はこのFSHISOで一時、WWWサイト担当のサブシスとして活動していたことがある。途中でフォーラム・マネージャに愛想が尽きたので売り言葉を買って売り返して離脱したけれどもね。そしてFSHISOの被告を中心として訴訟への反駁を内容とする書籍の出版が計画されて、その著者側にニフティのフォーラム担当の取締役も参加してもらうという計画を知った時、強い危惧の念を抱いた。場を提供しているだけのニフティが被告であったとしても、訴訟でいう『名誉毀損の実行者』の側に立って行動するのは非常にマズいだろうと考えたわけだ。
そこでニフティのメールを使って対象となっている取締役に警告をした。私の警告のメールにどれ程の効果があったかは判らないけれども、件の訴訟本にニフティが参加することを回避できて善かったと今でも思っている。もっともこれの御蔭で『底知れぬ暗闇の悪意』という中二受けする二つ名が確定することになってしまったけどwwww