出生、進行、経過について考えた

西洋占星術では、イベントの時期を予測するのに、『出生』、『進行』、『経過』の3つのホロスコープチャートを総合的に見る。『出生』で持って生まれた特性を読みとり、『進行』は持って生まれた特性が、その個人の成長と共にどのように展開して行くかを読んで行く。そして『出生』と『進行』に外部がどのような影響を与えるかを読みとるのが『経過』だ。紫微斗数四柱推命でも同じような技法がある。

出生 進行 経過
四柱推命 四柱八字 大運・小運 歳運
紫微斗数 出生命盤 大限・小限 太歳

ただ西洋占星術の『進行』は、現代では様々な技法がある。おそらくは『進行』という訳語も、訳語が作られた時代に主流であった技法に対しての訳語であったのだろう。現代では『進行』は“Progress”の訳語として認識されているけれども、“Progress”はおそらくはAlan Leoがどこか*1から持ち込んできた技法で、はWilliam Lilly著の『キリスト教占星術第1巻』には“Progress”の語は出現せず、代わりにあるのが“Direction”だ。なので四柱推命の大運や紫微斗数の大限は“Direction”に対応するもの考えて良いだろう。そしておそらく小運や小限は“Profection”に対応している。

今のところ私の個人的な用語法では、自己の展開を読みとるような技法群、“Progress”や“Direction”、“Profection”を総称するものとして『進行』の語を使用している。*2

さて『shibitosuuのblog』というブログに『紫微斗数・・・予想外の出来事』というエントリがあがっていた。私だったら、

  • 出生の命盤の疾厄宮か禍害宮でもある父母宮をみて、事故に逢いやすい人かどうか判断する。
  • 大限小限の動盤疾厄宮とかをみて、事故に逢いやすい時期かどうか判断する。
  • 太歳宮をみて危険な年かどうか判断する。

辺りのチェックをして行くことになるだろう。

ブログ主は『縕羊』を事故の星として、大限や小限宮の遁干から出す方法を提唱している。面白い方法であるけれども、事故は本質的には外部からやってくる『経過』の事象である以上、流年干は併用するべきだろうと思う。『進行』でわかるのは、事故のダメージの大きさとかじゃないだろうか。

と、こういったことを考えて思ったのは、飛星四化は西洋占星術でいえば、アスペクトに対応しているのかもしれない、ということだった。色々考えさせてくれたブログ主には感謝している。

*1:多分、インドだろう。

*2:個人的にはこういった訳語の整理をするべき時期じゃないかと考えている。原語でやれば良いだろという意見には、日本語の漢字仮名交じり文の視認性の高さを有効活用するためには、ちゃんとした訳語が必要だろうと答えておく。