西洋占星術との比較研究の勧め

ハウスの象意の調査は実りが多かった

中国占術オンリーの人は認めないかもしれないけれども、例えば紫微斗数の十二宮は西洋占星術のハウス*1とかなりの部分が一致していて、その象意もまた共通している。これは紫微斗数がインドないしシルクロード経由で入ってきた西洋占星術を咀嚼し受容していく中から生まれたものなので当然といえば当然のことだ。

また西洋占星術でハウスの名称を『命宮』といった固有名詞的なものからナンバリングに変更することになった大きい理由と推測している複合ハウスの技法は、紫微斗数でも使える。以前、椎羅教室で取り上げられたオノ・ヨーコの命盤では夫妻宮から見た疾厄宮である官禄宮に破軍星が入っていて、夫であるジョン・レノンの死因を聞いた時に納得できるものがある。

この複合ハウスの考え方は当然、六壬でも成立する。例えば「仕事の問題で」と聞かれたとき、日支が子なら仕事に関わる奴僕宮である戌地からみて子地は福徳宮なので、仕事の遣り甲斐に疑問を感じているのではないか?あるいは遣り甲斐のある仕事を探しているのではないか?と推測できる。

こういうことを考えているので、紫微斗数の一部の流派が『奴僕宮』を『交友宮』に、『官禄宮』を『事業宮』にしてしまっているのには疑問を感じている。

なんにせよ西洋占星術との比較研究は、あまり手がついてないけど収穫の多いと考えている。まぁ早いもの勝ちだ。

*1:西洋占星術でもハウスは古くはナンバリングではなくて“life”といった名称を持っていた。