珍しいこともあるもんだ

昼間の仕事もあることだし、あまり鑑定でアップアップするのもなんだかなぁと思っているので、特に「鑑定します」の看板を出しているわけでもないのだけど、急に2件依頼が入った。珍しいこともあるもんだ。例によって椎羅さんの紫微斗数のドキュメントには大いに助けられた。椎羅さんのドキュメントを読んでいると、なんかこう鑑定結果がらしくなってくるのだ。1件はまだ命盤の確定作業中だったりするのだけど、だいたい目処が立ったと考えている。

鑑定の過程で再度、田宅宮と父親との関係について考えてみた。William Lillyの『キリスト教占星術』(Christian Astrology, 1647年)は、第1巻の7章をハウスの解説にあてているわけだけど、4室の解説は以下で始まっている。

The Fourth House.
Giveth Judgment of Fathers in generall & ever of his Father that enquires, or that is born;

明らかに4室を父親を表すハウスとして扱っている。中国占術において4室に相当するのが田宅宮*1であることを考えると、4室の原義は「家庭」であり、家庭を特徴付ける家長としての父親が導出され、Lillyの時代のホラリーでは父親の方をよく使ったということなのだろう。

で私の狭い経験上ではあるけど、田宅宮の正曜の象から導き出される父親像は、割と現実と合っていることが多い。何のかんのといっても日本では父親の影響力はそれなりにあるということなんだろう。そしてその場合、母親が父母宮から出てくることが多いように感じていたが、何故そうなるかの説明は思いつかなかった。

ところがある時ふと林秀靜さんから、紫微斗数でも西洋占星術のハウスと同じように、あるハウスからの相対位置から、そのハウスの配偶者といったものが導出されるんだと聞いたことを思い出した。キリスト教占星術からの引用にあるように西洋占星術では4室を父親として、そこから7番目のハウスを父親の配偶者、つまり母親として見ることになっている。田宅宮を基点とした夫妻宮はまさに父母宮になっている。ということで私的には両親を見る方法ができたと考えている。

*1:この「宮」の表記から、かっての中国占術においてはWhole Sign Systemが採用されていたと推測することが可能だろう。