結局、出発点と到着点を結ぶ直線で方位は決まる

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上図は出発地点を原点Oとし、到着地点Aの座標が(a,0)となるように座標軸を設定し、y = f(x)で表される曲線上を原点から地点Aまで移動することを表している。

移動中の各地点での方位は、曲線y = f(x)の接線方向ということになる。ここでいくつかの仮定をおく。

  • 移動は等速で行われる。
  • 逆の方位への移動による方位の効果は結果として相殺される。
このような仮定の下では方位の効果は線形なものとなるので、曲線にそって接線方向のベクトルを積分することで移動の方位を計算することができる。接線方向のベクトルはx座標の微小成分dxを使うと(dx, f '(x)dx)で表される。積分して得られるベクトルのx成分、y成分の積分をそれぞれv_xv_yとすると、

v_x=\int_0^a~dx=[x]_0^a=a-0=a
v_y=\int_0^a~f'(x)dx=[f(x)]_0^a=0-0=0
\vec{v}=(a,0)

となり、f(x)は任意の関数なのでどんな経路を通っても最終的な方位は、出発点と到着点を結ぶ直線で方位が決まることが証明できたことになる。

もっとも実際の移動では仮定のような等速の移動ということは有り得ないので、速度に関連した非線形な計算*1を行う必要があるだろうが、単純な議論を行うためにここではそこまで踏み込まないことにする。

*1:途中の地点でどれくらい時間が経過したかを考慮するとすれば速度に逆比例する項をベクトルに掛けて積分することになると考えられるが、内藤文穏師は速度が大きいと方位の効果も大きいと語っている。結局のところよくわからない。