皇極経世書

別に測局の本というわけではない

皇極経世書について中国版 Wikipedia は以下のように解説している*1

《皇極經世》,北宋邵雍撰,是一部河洛數術之書。《皇极经世书》共十二卷六十四篇。首六卷《元会运世》三十四篇,次四卷《声音律品》十六篇,次《观物内篇》十二篇,末《观物外篇》二篇。《四庫全書》稱其“辭約而義廣,天下之能事畢矣。”

つまり測局に関わっている、元会運世といった長大な時間区分に干支と易卦を付加する方法の解説は6巻34篇で、皇極経世書全体の12巻64篇から見ると半分くらいを占めているのみで、音韻について述べている声音律品だって4巻16篇の分量がある。

ということで、皇極経世書は別に測局占の本というわけではない。

これは、『数と易の中国思想史―術数学とは何か』でも解説されている。

『皇極経世書』の著者である邵雍*2は梅花心易の創始者としても知られていて、儒者ではあったけれども、陳摶*3の系統をひく李之才から道家の易を学んでいる。儒道の両方に通じていたわけで、鉄板神数の原型となった邵氏神数の創始者ともされている。もっとも著書して確実なのは、『皇極経世書』と詩集『伊川撃壌集』だけみたいだ。

*1:皇極經世-維基百科

*2:謚の康節の方が通りがよいみたいだ。

*3:陳希夷の諱。