八将神に関する疑問

陰陽道の暦註

簠簋内伝に始まる暦註は歳徳神、金神、八将神を中心としている。この中で歳徳神は年の十干から出すのので確実に中国生まれと分かる。金神については今の所何か語ることができる程の知識はない。

残る八将神については強い疑問がある。もしもこの八将神が中国で生まれたものなら、入っているはずの暦註が入ってないからだ。その暦註が『災煞』だ。『災煞』の歴史は古く優に2000年くらいはあるし、今でも重要な神煞だ。十二建除と同じくらいには古いはずだ。『災煞』は年支の三合仲支の冲を採る。今年は卯年であり卯は仲支なので卯の冲の酉が災煞となる。災煞は三合仲支の冲なので4年ごとに酉子卯午と循環する。なお十二支でも二十四山でも災煞の隣は劫煞、歳煞になる。結果毎年四方のどれか、十二支だと90°、二十四山だと45°は使わない方が良いことになる。

この重要な災煞が八将神に入ってないのは何故かずっと疑問に思ってきた。
最近降りて来たアイデア八将神が中国生まれではないかもしれないということだ。考えてみたら八将神には常に「○○星の精である」という文言が付いてくるし、ラーフとケートの精である黄幡や豹尾がいてインドっぽいといえばインドっぽい。ひょっとすると八将神はインド生まれなのだろうか?簠簋内伝の正式名称である『三国相伝陰陽輨轄簠簋内伝金烏玉兎集』の『三国相伝』は伊達ではないのかもしれない。