占星術ソフトの限界?
twitterのTLにこんなのが流れてきた。
朝の金星を見ていたらホロスコープ・アプリの大問題(限界)に気づいた人現れる。
— ぐら @astrogrammar (@astrogrammar) January 14, 2022
問題:
金星は空に見えているのに、ホロスコープ・アプリではアセンダントの下に表示されている。なんでやねん
(なお、バグではない) https://t.co/ll2thDojuM pic.twitter.com/vCI6ZBWAWT
「なんでやねん」に回答しておくと、占星術のソフトが地心*1モデルに従ってハウス分割を行っているのに対して、目で見た空は測地心*2モデルに従うからだ。つまり以前の『日出日入』のエントリで書いたように、障害物のない星空において地平線というのは平面ではなくて、観測地点を頂点として地球に接する円錐面になる。その結果として、実際に目で見えている星が地心モデルの地平面より下になることがあるわけだ。
図にするとこうなる。当たり前の現象だ。なので、この現象を大問題とか、限界と言ってしまうのは少見多怪というものだろう。
もっともかく言う私も童貞でね、じゃなかった、以前の金環日蝕の時に『Swiss Ephemerisも微妙に誤差があるね』みたいなことを言って、さかい@技術系占星術使いさんから「測心位置だときれいに重なりました」と教えてもらった過去があるので、あんまりエラソなことは言えない。
この現象が気に入らないなら、Swiss Ephemerisは測地心モデルにも対応しているし、今や世界のデファクト・スタンダードな天文計算ライブラリ*3なので、Swiss Ephemerisでホロスコープ作成ソフトを作れば良いだろう*4。もっともその時は、ASCとDSCが真反対にはならないことを考えておいた方が良いだろう。
そんなのを気にする、それを不徹底と言うのだ。
という向きもあるだろうけど、それには、
そんなに見た空をホロスコープに写すことに拘るのなら、盆地とか山の中腹とかでも見たままの星空にこだわるのかね?
という疑問を出させて頂く。
個人的には基本、地心モデルを採用して、どうしてもというなら星の位置計算には測地心モデルの採用も否定はしない、というくらいの感覚だ。
妥協の産物だけどね。