伏卦という用語

断易の八宮

twitterのタイムラインに『飛伏説からみる『京氏易伝』の八宮構造』*1についてのtweetが流れてきた。ある程度完成された断易に触れたことのある人間としては、断易の飛伏とは、大成卦の六爻に納甲・納支して、卦が所属する八宮の五行から六爻に六親をふった時に欠けている六親が伏神であり、その伏神は八宮の始まりの卦である上世卦*2から求めるので、上世卦が伏卦ということになる。

まだちゃんと該当論文を読み切ってないのだけど、『京氏易伝』の飛伏はそんな単純なものではないようだ。

ただこの論文を読んでいて思ったのが、三変筮の伏卦についてだ。昭和の易聖、加藤大岳は、略筮とよばれていた筮法を革新している。つまり本卦を重く見て之卦をほとんど見ない。それを明示するために之卦を伏卦とし略筮ではなく三変筮とした。この『伏卦』という用語の採用にあたって、加藤大岳は『京氏易伝』もしくはその解説書*3を読んだ上で採用したのではないだろうか。

*1:早川泉「飛伏説からみる『京氏易伝』の八宮構造」、中国哲学研究 (29), 35-87, 2017

*2:本宮卦

*3:例えば、鈴木由次郎の『漢易研究』とか。