八専と十方暮
八専は壬子日から始まる癸亥日までの六十干支の終端の12日間で、壬子、甲寅、乙卯、丁巳、己未、庚申、辛酉、癸亥と干と支が同じ五行*1の日が8日間集中して出現することから名付けられたのは間違いないだろう*2。
同じように、壬午日から始まって癸巳日で終わる12日間には、干と支の五行が相剋となる日が集中して出現する。壬午、癸未、甲申、乙酉、丁亥、戊子、庚寅、辛卯、壬辰、癸巳の10日だ。これに着目して作られたのではないかとされているのが『十方暮』だ。ところが八専と十方暮を比べると食い違いがある。これについては以前、『八専と十方暮』のエントリで以下のように書いた。
何故か八専と異なって壬午と癸未は十方暮には入ってないし、八専の間日に相当する丙戌や己丑も日干日支の関係は無視されて十方暮とされている。
こういうこともあってか、以前どなたかが*3、「十方暮ってそういう理解で良いの?」と疑義を出していたという記憶がある。もし十方暮が、元々から甲申から癸巳までの10日間をよぶものとして作られたものであるなら、奇門遁甲の影響があるのかもしれない。
つまり甲申から癸巳までの1旬は旬首六儀が庚になる。ところが奇門遁甲の遁甲については「庚を恐れる甲を旬首六儀の下に逃がすから『遁甲』というのだ。」という説明あるわけだ。で、誰しも疑問に思うだろう「庚を恐れる甲を庚に逃がしてどうなる?」、と。なので十方暮なのかもしれないと思ったりするわけだ。
八専から作られた六壬の八専である五重日*4や六壬の十方暮である五衝日には、こういうややこしさがないけどね。
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