六壬神課のバリエーション
六壬神課(大六壬)には幾つかバリエーションがある。六壬天地盤を中心にして占う『中六壬』とかだ*1。一番重要なバリエーションが『金口訣六壬』だろう。六壬神課では1刻2時間内は同じ天地盤となるので、次客や次籌を使わないと判断の基となる天地盤や課式に差が出ない。金口訣六壬は地分の導入によってそれを解消しようとするものだ。孫臏によって戦場での使用を目的に考案されたとされている。
基本的には通常と同じく六壬天地盤を作成する。金口訣六壬の主流派は、
甲戊庚牛羊、乙己鼠猴郷、丙丁猪鶏位、
壬癸蛇兎藏、六辛逢馬虎、此是貴人方
という一番古い貴人歌に従えというけれども、金口訣もまた六壬のバリエーションであるという前提に立てば、手に馴染んだ貴人法を使う方が良いと考えている。これは多分に佐藤壮朗(玄珠)さんの『金口訣六壬占数法』の影響を受けている。玄珠さんによれば貴人法のバリエーションは6種類あるそうだ。なので私は一番手に馴染んだ、甲日の昼貴人は未、夜貴人は丑において、昼貴人は日干に対して順行、夜貴人は逆行、ただし戊日は例外、辰戌はジャンプする、という貴人法を使っている。文章では分かりにくいと思うので、表にするとこんな感じになる。
日干 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 | 戊 | |
昼貴人 | 未 | 申 | 酉 | 亥 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 巳 | 丑 |
夜貴人 | 丑 | 子 | 亥 | 酉 | 申 | 未 | 午 | 巳 | 卯 | 未 |
この天地盤において、地分支を地盤においた時の天盤を金口訣で『将』とよぶ十二支。そして天盤で地分支にあたる天盤支に乗じる十二天将である『貴神』、もう一つ地分支に日干からの五鼠遁で遁干して得られた十干である『人元』を使って吉凶象意を判断して行く。主流派は貴神にも遁干して神干を出すけれども、やはり私は『金口訣六壬占数法』にならって神干を取らない*2。私はまだ習ってないけど玄珠さんによると、象が足りないといって神干を使うくらいなら『重建』を使うべきだそうだ。
新型コロナ田舎選手権
今年の3月くらいに「最後まで新型コロナの罹患者が出ない田舎の県はどこだ」という、ちょっと不謹慎ネタが一部で盛り上がっていた。島根、鳥取、岩手の3県まで絞られた所で、私も金口訣の練習で参加した。地分は各県の県庁所在地を愛媛の実家から臨んだ方位で取った*3。結果、島根-子、鳥取-丑、岩手-寅になった。人元、貴神、将、地分はこんな感じになる。
人元 | 貴神 | 将 | 地分 | |
---|---|---|---|---|
島根 | 壬水 | 玄武 | 大吉 | 子 |
鳥取 | 癸水 | 太陰 | 功曹 | 丑 |
岩手 | 甲木 | 天后 | 大衝 | 寅 |
私は間違えていたのだけど、玄珠さん流に正しく読むと、
- 岩手
- 鳥取
- 島根
の順になる。確か実際にもこの順だったと記憶している。なお人元甲木と将の大衝で木行の比和になっているのは遅れるの意味があるそうだ。それと木行は田舎っぽいらしい。
自民党総裁選
自民党総裁選も、岸田、石破、菅に絞られたこともあって、誰が勝つかを占ってみた。大六壬だと伏吟課なので既に結果は決まっていそうな感じではある。安倍の辞任に伴う総裁選なので安倍の再選だけはないというのは、伏吟課の裏の規則の「始めと終わりで同じことにはならない」には対応しているだろう。
地分をどうとるかを考えた時、石破が立春の日生まれで生時不明ということで、生年支から地分を取ることは諦めた。
そこで選挙区に注目すると岸田が広島1区、石破が鳥取1区、菅が神奈川2区で、それぞれ各県の中心的なJRの駅である広島駅、鳥取駅、横浜駅が選挙区内に含まれている。そこで、実家から各駅の臨む方位を出したところ、それぞれ亥、丑、寅となった。そこでこれを地分として金口訣の課を出してみた。
人元 | 貴神 | 将 | 地分 | |
---|---|---|---|---|
岸田文雄 | 己土 | 太陰 | 徴明 | 亥 |
石破 茂 | 己土 | 太常 | 大吉 | 丑 |
菅 義偉 | 庚金 | 白虎 | 功曹 | 寅 |
まだ勉強し始めたばかりで玄珠さんの手取り足取りという感じなので、判断の詳しい解説は行わない。知りたい人は玄珠さんに教わって下さい。
やはり菅だけど、案外、岸田が善戦しそうと出ている。