暴言とそれに感動する人

いや驚いた。これに書かれているのはちょっと西洋占星術を齧った人間からすると暴言以外の何者でもないのだが、書き手の酒井日香さんはこういう暴言をよくする*1人なので「ああ、またか」なのだけれども、この暴言に感動する人がいることには本当に驚いた。これは放置するわけにもいかないだろうけど、件のエントリで名指しされている鏡さんが出るまでもないだろ。私程度が適任ということだ。

件のエントリでは、実際に夜空を見たところ、惑星がとある星座付近にあるにも係わらずエフェメリスがそうなっていないことを取り上げている。まぁ、当たり前の話だよね。西洋占星術のエフェメリスのほとんどがトロピカルな座標系を採用していて、春分点を白羊宮の0度として計算している。インド占星術なんかでは、白羊宮の0度は恒星天上に固定されたサイドリアルを採用しているけど、トロピカルな座標系では春分点を基準にする。その春分点は地球の歳差運動によって天球上を移動する。黄道十二星座が決められたギリシアの時代に比べれば、『黄道十二宮』と『黄道十二星座』の位置が異なっていて当たり前の話で、驚いたり怒ったにする方がどうかしている。にも係わらず、酒井さんは赤い文字で、こう書く。

鏡リュウジさんも石井ゆかりさんも、
橘さくらさんしいたけも海辺舞も
言わせてもらえばみんな大ウソなんです。

私が暴言と書いたのを、みなさん納得してくれるだろう。

私は、これは意図的に『黄道十二宮』と『黄道十二星座』を混同したタメにするエントリだと推測している。炎上芸を目指しているのかね。

ついでにいえば、酒井さんは『フラクタル理論』について全く理解していないと思うね。こんなことを書いてた

フラクタル数学で考えると、「平面・奥行・高さ」の三次元に「物質」という我々人間の暮らす「四次元」があり、さらに高位に「時間・意識」という6次元、素粒子や光なども含めると7次元、8次元、それ以上かもしれない天空があり・・・。

フラクタル幾何学的なもので、部分と全体が自己相似となっている図形を指す用語だ。そして我々が暮らす四次元は、縦横高さと時間の4つの軸を持っている。「平面・奥行・高さ」って三次元もマトモに理解しているかどうか怪しいよね。

ま、確かにフラクタル次元てものはあるけど、酒井さんの頭の中にある『次元』とは全くの別物だ。

*1:こういう暴言のエントリもある。