これが日本の現状

RSSリーダに登録しているブログの一つにこんな記述のあるエントリがあがっていた。

簡単に説明させてもらうと西洋占星術
蠍座の人」と言うのは
「太陽が蠍座にある人」を指す。
インド占星術ではほとんど
太陽がふたご座の人に入ってしまう。

この差異はインド占星術
地軸の振り戻しを計算に入れたからだということらしい。
現状、この考え方の方が天文的に正しい、
即ち、正確であるという認識らしい。

どう読んでも正しくない。多分、間違った原因は星座とサイン(黄道十二宮)の区別を曖昧にしているからだろう。西洋占星術で、いわゆる蠍座つまり天蝎宮に太陽があるなら、太陽は星座としての乙女座*1にあると言って良いだろう。地球の歳差運動によって春分点が移動することにより、現在の春分点は星座としての魚座にあるからだ。天蝎宮に太陽があることと乙女座に太陽があることは、一方が正しくて他方が間違っているというわけではない*2

西洋占星術で一般的な、トロピカルな黄道十二宮春分点を始点として黄道を12に等分して作られているし、インド占星術で使用されるサイデリアルな黄道十二宮は実際の星座を基に黄道を12に等分割したもので、黄道上に占める位置が基本的に異なっている。春分点の移動を考慮しているのは、どちらかというとトロピカルな黄道十二宮の方だし、一般的な天文学では春分点の移動を考慮しているものなのですけどね。しかし月将と同じものである黄道十二宮についてこんな認識で六壬できるところがすごいね。

*1:ふたご座ではなく乙女座。

*2:常にではないにしてもね。