トロピカルな座標系の意義

ついでに言っておくと、西洋占星術が何故トロピカルな座標系を採用しているかというと、サインと季節の対応をサインと星座の対応よりも重視しているからだ。暑さ寒さも彼岸までといわれるように、春分を過ぎると急速に春めいてくる。かってはその季節の変化を牡羊の突進で例えていたわけだ。しかし春分点は移動し現在は星座としての魚座にある。では太陽が実際の牡羊座にきたとき季節はどうなるかというと、明らかに早春とは言い難い。黄道十二宮は季節の指標でもあるのだ。

余談だが、インド占星術用に作成されたサドリアルのエフェメリスを使っても、実際の夜空とのズレは感じるだろう。何故なら『黄道十二星座』は不等間隔だけれども、『黄道十二宮』はキッチリ30度づつの広がりを持っているからだ。