春分点


天球図とCampanusのハウス分割

春分点とは『天球図とCampanusのハウス分割』にしめしたように、黄道と赤道の春の側の交点だ。なので日周運動において、春分点天の赤道上を滑るように移動する。

ここで判らなくなってくるのが「インド占星術では2000年前の春分点をそのまま使う」という言葉の内容だ。『2000年前の春分点』が現代では天の赤道上にはないことは明らかだ。なので『2000年前の春分点』を使うと、地方恒星時が計算できなくなる。何故なら地方恒星時は、地球の自転の指標である時角を角度ではなくて時刻で表現したものであり、これは春分点が赤道上にあることが前提となっているからだ。地方恒星時が計算できない以上、ASC*1の算出もできないことになる。

では「インド占星術では2000年前の春分点をそのまま使う」という字義通り、『2000年前の春分点が赤道上にあるような、仮想の黄道を使って計算しているのだろうか?でも春分点の移動は、地球の自転軸の首振り運動によるものなので、どちらかというと黄道が固定されていて、赤道全体が春分点と共に黄道に対して位置を変えると考えた方が正しいだろう。

では、インド占星術でいう『春分点』は、単に白羊宮の0度にすぎないのだろうか?そうであるなら、『春分点』なんていう言い方は止めて、白羊宮の0度というべきではないだろうか?

*1:インド占星術ではラグナだっけか?