五行大義という中国で随の頃に書かれた書籍がある。これの完本は日本にしか残ってなかったと五行大義-Wikipediaにはある。今だとやはり中村璋八先生の五行大義が一番知られているのではないだろうか。
内容は、中国占術で使用する用語の百科辞典といった感じで、こんな構成になっている。
- 巻第一:釈名、論支干名、論数
- 巻第二:論相生、論配支干、論五行相雑、論徳、論合、論扶抑、論相剋、論刑、論害、論衝破
- 巻第三:論雑配
- 巻第四:論律呂、論七政、論八卦八風、論情性、論治政
- 巻第五:論諸神、論五帝、論諸官、論諸人、論禽蟲
陰陽寮でも必須のテキストだったそうだ。
占術家にとっては一読しておいて損がないわけだけど、ジョセフ・ニーダムがこんな評価をしていることを知ってひっくり返った。
ジョゼフ・ニーダムは、『五行大義』を五行についての最も重要な中世の書物とし、どの書物よりも科学的事項を多く扱い、推命などの疑似科学を扱うことが少ないとして、高く評価している。
ジョゼフ・ニーダム 「第13章 中国科学の基本的思想」『中国の科学と文明』第2巻・思想史上、島尾永康訳、思索社、1974年。
大丈夫か、ニーダム。