月律分野蔵干
午月の中気が己であることを確認して、自分の長年の間違いを正すことができたわけだ。四柱推命で使用される月律分野は孟仲季で長さに変化があるのだが、余気、中気、正気の3つから構成されている。余気の蔵干は前月の五行を引き継いでおり、正気の蔵干は十二支本来の五行となっている。そして中気の蔵干は午月を除いて三合会局の五行となっている。そのため仲支の子、卯、酉は中気と正気が同じ蔵干になっている。
西洋占星術では30°の広がりを持つsignを10°づつに分けてdecanとし、そのdecan毎にrulerを置いている。現代の占星術ではdecan rulerはTriplicityを構成するsignそれぞれのrulerから構成されている。
占星術のTriplicityが十二支の三合会局に相当しているので、私は以前、中気が三合会局の五行に従うことをもって、月律分野蔵干の起源がdecanから来ていることの証拠としていた。似たようなことを考える人はいるもので、波木星龍さんも自身の公式サイトで、『謎だった「蔵干」・「六合」と呼ばれているものの正体』や『推命学研究の異説について ―その2・蔵干―』といった論を展開されている。
もっとも私は現在は、月律分野蔵干の起源がdecan rulerであることを疑ってはいないけれども、中気が三合会局に従うことをもってその証拠とはできないと考えている。
何故なら古代の占星術ではdecan rulerは、白羊宮の1st. decanのrulerを火星とし、後はカルデアン・オーダーに従って順繰りにdecan rulerを割り振っているからだ*1。Deborah Houldingさんのサイトの“THE EGYPTIAN CALENDAR AND THE ZODIAC”には、エジプト占星術でのdecan rulerの図があげられている。
ということで、今は以前よりも大胆なことを考えている。つまり、
- Triplicityによるdecan rulerの配置は、インド辺りに起源があり、それが東西に伝わった。
- 中国の月律分野蔵干がインド辺りを経由して西洋に伝わって、decan rulerの再配置につながった。
のどちらかなんじゃないだろうか。
[追記]どうやらインド起源らしい
Triplicityによるdecan rulerはインド起源だと、水埜明善さんが教えてくれた。
こんにちは。
— 水埜明善(令和18年) (@genius_bonus) 2019年5月27日
デカンについてですが、現代占星術のデカンの考え方である1番目が自身のサインの支配星、2番目がそこから5番目のサインの支配星…といったものはインド占星術が元となってます。