騰蛇と勾陳そして玄武

先月、川崎市で取り調べ中の強盗強姦事件の被疑者が逃亡するという事件があった。何時頃、再逮捕されるか?ということで六壬の課式を出してみた。
































































































 




































伏吟課が出たので、再逮捕されるか死体で発見されるかのどちらかだろうというのが第一感だった。禄神が末伝に出ているので逮捕されるだろうと判断した。伏吟課は事態が一端動き始めると進行は速い。天盤河魁(戌)の下が戌ということで、『占事略决』で解説されている河魁を使った太玄数の掛け算*1から25刻後、つまり明後日と判断した。実際には逃亡から2日後に再逮捕されている。ここまでなら当たりと言えなくもないけれども余計なことまで言ってしまった。mixiの日記にはこう書いた。

逃げた場所からは北に行っている可能性があり、多摩川の東京側、六郷土手近辺で捕まるかもしれない。

これが大外れで逃亡犯は南西の横浜方面で再逮捕された。逃亡犯が北に逃げたのではと考えたのは中伝に子が出ていたためだ。しかし末伝の地盤は午なので南で捕まるとでも言っておけば好かったのかもしれない。

術友の玄珠さん*2は、悪人である玄武を捕える勾陳が辰に乗じているので辰日の逮捕と考えていたそうだが、この話を聞いた時に私はエっとなった。警察は騰蛇と思い込んでいたからだ。

しかし考えてみると玄武は水行であり*3、火行の騰蛇では玄武を捕まえることは出来ないのだった。なので水行を尅す土行の勾陳が警察であるというのは至極もっともな話なのだった。

方角的には、私の不安の源である騰蛇が乗じた小吉(未)の地盤が未で南西方向ということなのだろう。*4

さて騰蛇は夢の類神でもある。この課式を立てた少し後に、うたた寝をして変な夢を見た。それで夢の謎解きをしようと思いたって課式を立ててみたのだが、うまく解釈できなかった。おそらく夢を謎解きするためには、火行である騰蛇を尅し、人の心理の機微に通じている水行の玄武が必要であったのだが、課式には玄武が現れておらず、うまく夢を解釈することはできなかった。

さて勾陳は軍隊・警察といった規律を重んじる組織の類神である。粗暴といったものも象徴するが、これは組織が暴走した場合のもので、普段は規律を重んじている。大石真行さんは『断易の六獣の勾陳は六壬の勾陳と違って、右向けと言ったら別の指示を出さないとずっと右を見ているような人』と言っていたが、『規律』というキーワードから六壬でも同じような象意が出てくる。

どうやら、騰蛇、勾陳、玄武といった天将の象意を再構築するべき時期に来たようだ。

*1:略决では日数計算としているが、状況によっては刻でもかまわないと考えている。

*2:金口訣六壬占数法』の著者。

*3:癸亥か壬子かという話はあるけれども、私は玄武は癸亥と考えている。

*4:玄珠さんから指摘を受けて修正した。