売れるべき本

ニフティの頃からの術友である佐藤壮朗さん*1の『金口訣六壬占数法』が刊行された。日本語で書かれた初の本格的な金口訣六壬の本であるが、その内容はそれだけに留まらない。占い本で初めて統計をちゃんと扱った本であり、統計で自分の個性を検証して自分の型を作る方法を解説した本であり、また得られた自分の型からナンバーズの数字当てに挑戦した意欲的な本である。

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金口訣六壬占数法

この本には読んで明日から使えるハウツー的な秘伝は一切無いが、師匠の教えや書籍で身に付けた型が自分の個性からズレているのを感じ始めた時に、自分の個性が占いの結果にどう反映されるかを統計的に検証し、自分の型を作る手掛かりを与えてくれる。

もう序文の『はじめに』からして読者に挑戦している雰囲気が満ち満ちていて、著者の佐藤さん御本人のように格好好い*2。例えば、

 そこで気がついた…そうか、「売れない」本を書けばいいんだ。
 本書を読んでくれそうな層は…無。例えば、占術の専門家しか関心を持たないような内容を、占術のことばっかり考えている人間には共感できないような面から掘り下げていたりするので、結局誰も、この本を手にと手にとっても最後まで読み通すことができないのではないのか。

と、くる。しかし占いの世界の現状を憂えている人間なら読むべき本、それが本書だ。

この本はまた、金口訣六壬六壬の一種として扱っており、月将の定め方にどのようなものがあって、また貴人法にどのようなものがあり、貴人の順逆の決定法にどのようなものがあったか、刊本で確認できるものをありったけ集めてくれている。そういう点で六壬者にとって非常に重要な書籍であろう。

なおどうせAmazonのことだから、在庫の5冊が売れたら補充されないと思うので、書店か版元の東洋書院に注文する方が確実だろう。

*1:私の中では玄珠さんの方が通りが良い。

*2:佐藤さんはホント美男子だ。