人体との対応


人体と十二宮の照応関係を示した図
ベリー公のいとも豪華なる時祷書より)
Wikipediaからリンク

黄道十二宮と人体各パーツとの対応関係をしめした綺麗な絵がある。基本的に頭から白羊宮、金牛宮と並べているわけだ。探しても綺麗な絵が見つからなかったけれども、ハウスと人体各パーツとの対応関係も似たようなもので、1室を頭に対応させて順に下がって行く。William Lillyはその著書『キリスト教占星術』(Christian Astrology, 1647年)の中で、

And as it is the first house, it represents the head and face of man, so that if either Saturn, Mars or South Node be in this house, either at the time of a Question, or at the time of birth, you shall observe some blemish in the face, or in that member appropriate to the sign that then is upon the cusp of the house;as if Aries be in the Ascendant, the mark, mole, or scar is without fail in the head or face;

と語っている。ざっと訳すと、

そしてそれが最初のハウスなので、この1室は人体の頭部、や顔面をあらわします。質問を受けた時刻や、出生時のチャートにおいて、1室に土星や火星、ドラゴンテールがあると、顔にいくつかの汚点?(黒子やシミ、傷、痣)といったものを観察することになるでしょう。例えば白羊宮が上昇宮であるとすると、間違いなく頭か顔にしるし、ほくろ、または傷跡があります。

白羊宮のルーラが火星なのでこういう判断になるのだろう。この判断法には数100の実例があると少し先に続けているので、William Lillyはサインよりはハウスを使った人体の特徴の読み方をしていたっぽい。

紫微斗数でも、1室に対応する命宮に天空地劫があると顔に傷があるという判断をするので、他のパーツについてもそういう判断ができるかもしれない。

20111028111602

もっとも東洋占術にはハウスと縁の少ないものも多いので、どちらかといえば十二支と人体パーツの対応になると思う。『三才發秘』では、六合ではなく七合として午子を天頂天底とした上で、巳−未、辰−申、卯−酉、寅−戌、丑−亥を合とするので、午を頭に子を足として高さの順で当てはめて行けば良いのだろう。

ただ『皇帝四季の占い』なんかを見ると、単純に高さに合わせているものだけではないようだし、やはり七合って頭で作ったもので十二支はやっぱり六合だろうという気がする。私だったら、頭を午、首に未、子を股間から下腹部、丑を上腹部として、左右上腕に巳と申、肘から先を辰と酉、大腿部を卯と戌、膝から先を寅と亥という感じで六合を意識した当てはめをするかな。陳光甡先生もこんな当てはめを使っていて、金口訣六壬の地分を自在にとっていた。陳先生の講義のノートに図を描いたはずなんだけど、そのノートが出てこないので記憶と推測で描いたのが自作の当てはめの図だ。

しかし西洋占星術とか西洋の錬金術とか、極彩色の綺麗な絵が残っていて羨ましい。

[2011/10/28追記
玄珠さんから『大六壬金口訣』の「占人身上瘢靨」に以下の記述があると連絡をもらった。

午面未頭子丑足 亥寅為膝巳申肩
辰酉両膊卯戌股 左右東西弁別観

「膊」には“ほじし”の訓があり、肩から先の腕全体を指すらしい。陳光甡先生は金口訣六壬をやられる方なので、私の行方不明のノートに描いてあるのは多分これだろう。