ホロスコープの天と地

西洋占星術ホロスコープ

天文学的な背景ならそこらの占星術師よりは遥かに詳しいとは思うけど、実際に占うとなると素人以下の私が言うのもなんだが、西洋占星術の円形のホロスコープは南の空を見上げた状態をイメージして作成されているのだろう。

南を向けば左手側が東になる。星とか感受点は、左から上昇して南中して最も高くなり、右に沈んで北中して最も低くなる、という日周運動を続ける。そして観測者にとって最も直接的な座標系である地平座標系において、特徴的となる黄道上のポイントが“Quadrant”型のハウス分割のハウスカスプとなる。典型的なのが“ASC”、“MC”、“DSC”、“IC”だ。“ASC”と“DSC”は黄道と地平線の交点、“MC”と“IC”は黄道と子午線の交点になっている。

さてここで、どの程度見たままに拘るかという問題が発生する。つまり観測者を中心とする天球モデルでは、地平面はもはや平面ではありえず、観測者を頂点として地球に接する円錐となるし、観測者と星々との距離も無視できなくなってくる。

特に月の位置で顕著だけれども、観測者中心モデルと地心モデルでは月の黄道上の位置が異なってくるのは、“Topocentric”と“Geocentric”のエントリで述べた通りだ。しかし天上の世界が地上の観測者の位置で変化するというのは、なんとなく受け入れ難いし、“ASC”の真反対に“DSC”こないというのも気持ちの悪い話だ*1

まあしかし、観測者にとって直接的な地平座標系*2において特徴的な、黄道上のポイントによって、地上世界の座標である地平座標と天上世界の座標である黄道座標によってしめされるサインがつながっているわけで、地上−ハウス−サイン−天上といった繋がり方をしているのが占星術というものなんだろう。

と、長い前振りだったわけだが

六壬には『指斗法』という技法がある。これは太白陰経の玄女式にも出ている古い技法で、太白陰経のような兵書では敵軍との会合を占う方法として伝えられている。これは占う時刻で六壬天地盤を作成し、北斗の剣先である破軍星=天罡、つまり天盤辰の下の十二支を見る。

  • 季支ならまもなく遭遇する。
  • 仲支なら敵軍は宿営地から出発した直後。
  • 孟支なら敵軍はまだ宿営地を出ていない。

と判断する。季支ですぐ遭遇というのは、この場合の季支というのが月建系の十二支ではなく月将系の十二支で活動宮に相当するからなのだろうと考えられる。つまり六壬には地上から天上を見上げる視点だけではなく、天球の外から天上を見下ろす視点もあるのだろうということがわかる。この視点の上下を自在に行き来できるようになるのが、私の六壬探究の目標地点の一つだ。

この『指斗法』はかなり験のある技法で、短時間で結果が出る事がわかっている事象の遅速を判断するのにかなり優れている。実は事情があって今は実家に居るのだが、実家にはダイアルアップしかなく、今のWebの世界ではあまりに線が細くて困っていた。そこで長女がスマフォに変えた時に入手したWiFiを借りることにした。長女から到着予定日の連絡があり、その当日、ふと指斗法で配達の遅速を占ったところ、もうじき来るということだったので、表に出て待っていたら配達の人がじきにやってきた。

それで設定方法とか問い合わせのメールを出して長女に聞いてみた。多分、長女の仕事が終わってマニュアルとか見てからになるだろうから、返事は深夜だろうと思っていた。しかし指斗法では仲支が出たので意外と早いと出た。実際、夕方には返事が来て、ブツに設定方法が書いてあるから読めということだった。

*1:それを不徹底というのだ、という意見は当然あるだろう。

*2:地心モデルではあるけどね。