帰蔵の法を測局に応用してみる

三元九運と二元八運

三元九運を20年づつに等分割して紫白九星を当てはめる方法については、以前「三元九運と白いファシズム」で書いたことがあった。この三元九運を等分割する方法は割りと知られているが、三元九運の中で五運を外す方法があるのは案外知られていないように感じる。

この方法では、三元九運の180年を前半の90年と後半の90年に分ける。一運は18年しかなく、残りの72年が二〜四運で均等に分けられてそれぞれ24年ある。後半の90年では九運が27年と長く、残った63年が六〜八運で均等に分けられてそれぞれ21年を占める。

紫白九星が均等に出てくるやり方だと、高島正龍公のように紫白九星をそのまま使う方法になるだろうが、五運がないやり方だとやはり八卦を使うことになるだろう。その場合、帰蔵之法が使えそうに感じる。帰蔵之法は二つの小成八卦を一つの小成八卦帰納してしまう方法で、二つの小成八卦の同じ位置の爻において、陰陽が異なっていれば陽、陰陽が同じなら陰として小成八卦一つを算出する。

さて日本が戦後の混乱から脱却して復興を遂げたのは、1930〜1955年においてだが*1、その期間は五運を外した第四運の1930〜1953年とほぼ重なっている。第四運なので、これを巽卦とする。日本は震宮に位置しているので、巽卦と震卦に帰蔵之法を適用してみる。初爻は陰陽で陽、二爻は陽陰で陽、三爻は陽陰で陽となり、帰蔵之法で得られる小成八卦は乾となる。全陽の卦であり、戦後からの復興に対応していると見ても外してはいないだろう。

2008/01/17追記

上記について知人から歴史認識が間違っているとの指摘を受けた。確かに太平洋戦争が始まったのが1941年12月であり、サンフランシスコ講和会議が開かれたのが1952年9月であるので、第四運は日本にとって戦争の時代だったといって良いだろう。乾卦は全陽であって、対外活動と剛強の象がある。従って戦争を読み取るべきであったと考えている。友人からの指摘に感謝する。

次の高度経済成長の期間は1955〜1974年までだが*2、この期間は六運の1954〜1974年にほぼ対応している。六運は乾卦が支配している。日本の位置する震宮の震と乾に帰蔵之法を適用すると巽象となる。日本が作り出す製品は世界に広がっていった。巽の良い面であろう。一方、公害も無視できなくなったが、これが巽の凶の面である毒物といった象に対応しているだろう。

そして次の七運は1975〜1995年となる。七運なので兌卦であり、帰蔵之法によって得られる卦は坎卦となる。困難が多く舵取りの難しい期間と考えられるが、まさにバブルの期間の舵取りを間違って失われた10年といわれるような不況を八運に残してしまったわけだ。八運は1996〜2016年で、帰蔵之法で得られる卦は離となる。おそらく文化的には成功するだろうが、中空であって実利は薄い期間になると予想できる。次女の卦なので少しトウの立った女性が受ける期間かもしれない。

さて同じ方法で今年を占うなら、今年は男坎女艮の年なので今年の卦として坎を選ぶことにする*3。すると帰蔵之法で兌卦が得られる。三女の卦なので今年は少女が受ける年になるのではないだろうか。ならば初音ミクのブームは今年も続きそうだ。今年のレコード大賞にノミネートされたりすると面白いと思う。悪い面としては、鎗田先生も言っているように兌卦は陥没の象や洪水の象でもあるので、天変地異の恐れがあるというところか。

*1:Wikipedia - 敗戦からの復活による。

*2:Wikipedia - 日本の高度経済成長による。

*3:南半球だと艮かもしれない。