古典占星術からモダンへの移行

CAプロジェクトはちょっとたゆっているが、そろそろ7章については暫定訳ということでフィックスするかなと考えて準備を進めている。ライセンスの確定に合わせることにはなると思うが。

門外漢なので上面をなでることしか出来ないが、西洋占星術において古典とモダンの技法上でもっとも目立つのが、サインの区切りから自由になっていることだ。ハウスは古典ではサインと一致するホールサイン・システムが採用されていて、ハウスとサインの区切りは一致していた*1し、アスペクトについてもサインの縛りがあって、衝、△、□、*と合くらいしか存在しなかった。

しかしモダンではハウスの区切り一つにしても多様なものがあり、サインの区切りから自由で時たま一つのサインの中にハウスの区切りが二つ入っていたりする。アスペクトも百花繚乱でサインの区切りから完全に開放されている。

CAの占星術自体は伝統的な占星術に分類されていて、古典とほぼ同じあつかいだがすでにハウスの区切りはサインの縛りから開放されている。CAの著者であるWilliam Lilly(1602-1681)とほぼ同時代のJohannes Kepler*2(1571-1630)はアスペクトをサインの縛りから開放した。つまり16-17世紀には占星術が古典からモダンへの引き返せない道を進み始めていたことになる。

*1:中国占術にはその痕跡がはっきりと残っている。

*2:天体物理学者のケプラーとしてよく知られているが、占星術師が本業だったらしい。ただし次の言葉を残している。「天文学は賢い母、占星術は愚かな娘。でも娘がいなければ母は飢えてしまっただろう。」