滴天髄天干論

これに触発されて滴天髄天干論を読み直してみた。天干論は甲木についての、

甲木参天 脱胎要火 春不容金 秋不容土
火熾乗龍 水蕩騎虎 地潤天和 植立千古

で始まっており、辛金は以下となっている。

辛金軟弱 温潤而清 畏土之多 楽水之盈
能扶社稷 能救生霊 熱則喜母 寒則喜丁

「甲木参天 脱胎要火」と「辛金軟弱 温潤而清」を比較して読むとすると「甲は寅に通根して強くなる」、「辛は(水を持つ)申に通根して強くなる」といった読み方は充分可能だろう。天干論では各干について根に関わらず強いもの、そうでなければ一番良い根は何かから始まる構成をとっているように見える。

しかしながら滴天髄は基本的に短い文から構成されているので、どんな読み方でも可能だろう。子平の専門家なら「滴天髄には実はこんなことが書いてあるんだ」という内容の秘伝書の一つくらいは一度書いてみるべきかもしれない。自分の子平をまとめるには良い方法だと思う*1

天干論から淘洗珠玉を導き出して、それを奇門遁甲にも使うというのは張さんの自由だし、張さんの門下が使うのも必然だろうが、標準的な奇門遁甲では壬と辛の組み合わせはどちらが天盤干でも凶の組み合わせなのは活盤奇門遁甲精義に出ている通りだ。

*1:六壬にはこういう都合の良い文献てあるのだろうか?