術数はまだ世界の基盤として機能している

周天の度数

こんなtweetが私のTLに流れてきた。

今はどうか知らないけど50年以上前には、60が多くの約数を持つ便利な数だからみたいな愚にもつかない説明を聞かされたものだ。けれども、術数の世界に首を突っ込んで暦法と天文との関わりあいをある程度理解できた今ならちゃんとこう答えることができる。

1年の日数*1が365.2422日であり、それに近くてキリの好い数として360が選ばれた。

なおこれは西洋の天文学の話であって、中国天文学をベースにするなら周天の度数は365.2422°になる。

ついでに言うなら1年が12ヶ月なのは1年が大雑把に12朔望月だからだし、その12から派生して黄道を12に等分割して得られた黄道十二宮が昼と夜それぞれを支配するので1日は24時間になってる。これも中国天文学をベースにすれば12から生まれた十二支が昼夜の別なく1日を支配するので、1日は12刻になる。

このように天象に基づいて作られた数は現代においても我々の身体に染み込んでいて、生活の基盤として機能している。占いのような迷信は徹底して無視するというのは無理がきているのではないだろうか。術数は迷信の母体だったかもしれないけど、科学の母体でもあったことにもっと正面から向き合うべきだと思うよ。そして私は占い師として、術数の占いとしての面は現代でも有用だと思ってる。

余談だけど“Fritz” LangのMetropolisでは、地下生活をおくる労働者階級を支配する時間体系は10進数に基づいていた。天象から切り離された非人間的な時間体系だったのだろう*2


Blood From A Stone (Giorgio Moroder - Cycle V)

*1:平均太陽時に基づく日数。

*2:本当に余談だけど、画質は悪いけどGiorgio Moroder版のMetropolisはテンポが良いしBGMも良くて好きだ。