呉越春秋

私のtwitterのタイムラインにこんなtweetが流れてきた。

『呉越春秋』は六壬絡みの話がよく出てくるので、六壬についての知識がないと正しくは理解できないだろうと考えていたので少し驚いた。しかも近代六壬ではない時代の六壬なので、その辺りの知識も必須となる。

例えば『夫差内伝第五』には、呉子胥の台詞として

ひそかに『金匱』第八を観ますに、傷つくことになるでしょう

や、

今年の七月、辛亥の夜明けに、大王は事を始めます。辛は、歳星の位置であり、亥は、陰前の辰です。壬子に合するのは歳前の合であり、武力を行使するのに利があり、武を行えば必ず勝利します。しかし徳は斗と合し丑を撃ちます。丑は、辛の本です。大吉は白虎と辛に臨み、功曹は太常と亥に臨むところ、大吉は辛を得て九醜となり、また白虎と並び重なります。人がもしこれをもって事を始めれば、先に小さな勝利を得ても、後で必ず大敗します。天地はわざわいをなし、災禍は遠くないでしょう

が出てくることで判る*1

『金匱』は六壬の古典中の古典であり、陰陽寮において必須のテキストであったことが、『新猿楽記』の『十の君の夫』である陰陽先生である賀茂道世*2の説明に、

金匱經、樞機經、神樞靈轄等之無所不審。
(金匱經、樞機經、神樞靈轄等のつまびらかならざる所無し。)

とあることでわかる*3

呉子胥の台詞の後者は、ほとんど九醜格の説明だ。占事略决にもこうある*4

天地の道においては、災いは丑の凶の働きに帰します。日干が乙・戊・己・辛・壬、日支が四仲の子午卯酉のどれかで、月将が四仲、時刻が辰刻で大吉(丑)が日辰に臨んで発用となるものがこの九醜卦です。九醜卦の時刻には、挙兵・婚姻・土木作業・遠出はどれも行ってはいけません。もし行えば災いが3年以内に出るでしょう。

こういった部分がどのように訳されているのか気になるので読んでみるしかないかな。

*1:文章は『覇王の輔』さんの所から御借りした

*2:架空の人物。ただ新猿楽記が執筆された当時は、陰陽博士といえば安倍ではなくて賀茂だったことが判る。

*3:原文は『久遠の絆ファンサイトIN台湾』さんから御借りした

*4:安倍晴明「占事略决」詳解』より。