昨日、twitterのタイムラインにこんなのが流れてきた。
占事略决の信憑性ですが、学研の陰陽道の本に平安時代の陰陽師安倍晴明が間違って記したことが記されています。「木剋土」を「木鬼土」と記していて、信憑性に疑問点。 pic.twitter.com/8xVvnsyoVG
— 安倍晴明 (@wakamiya02) 2014, 9月 16
で、件のtweetによれば、その問題の記述は『日鬼法第十六』にあるとされている。
ところがだ、少なくとも京都大学図書館所蔵の『占事略决』の『日鬼法第十六』の記述は「木鬼金」となっており、「木行の日の鬼は金行である。」という全く問題のない記述となっている。これは拙著が底本とした前田尊経閣文庫所蔵の『占事略决』でも同じだ。
件のtweetは学研の『ブックスエソテリカ』シリーズの『陰陽道の本』が元ネタなので、誰が書いたのか調べてみた。不二龍彦さんだった。せめてもう少しちゃんと調べて欲しかった。不二龍彦さんの手元にある『占事略决』ってどういう来歴の本なんだろう。
ついでに言えばこの『陰陽道の本』には『占事略决』に関する記述がもう一箇所あって、『陰陽道の占術』の項目の二十一頁には以下のようにある。文責は本宮眞吾さん。
これまた間違っていて、『占事略决』は徹頭徹尾、六壬神課を解説したものとなっている。『占事略决』についての2箇所の記述が2箇所とも間違いってどうよ。
安倍晴明 「占事略决」 詳解 |
ということで『占事略决』について何か語りたいなら、せめて拙著を読んでからにしやがって下さい、おながいします。