もうちょっと調べましょうよ

昨日、twitterのタイムラインにこんなのが流れてきた。

で、件のtweetによれば、その問題の記述は『日鬼法第十六』にあるとされている。

ところがだ、少なくとも京都大学図書館所蔵の『占事略决』の『日鬼法第十六』の記述は「木鬼金」となっており、「木行の日の鬼は金行である。」という全く問題のない記述となっている。これは拙著が底本とした前田尊経閣文庫所蔵の『占事略决』でも同じだ。

件のtweetは学研の『ブックスエソテリカ』シリーズの『陰陽道の本』が元ネタなので、誰が書いたのか調べてみた。不二龍彦さんだった。せめてもう少しちゃんと調べて欲しかった。不二龍彦さんの手元にある『占事略决』ってどういう来歴の本なんだろう。

ついでに言えばこの『陰陽道の本』には『占事略决』に関する記述がもう一箇所あって、『陰陽道の占術』の項目の二十一頁には以下のようにある。文責は本宮眞吾さん。

占事略决』さまざまな占いを簡略にまとめた、安倍晴明の著書。

これまた間違っていて、『占事略决』は徹頭徹尾、六壬神課を解説したものとなっている。『占事略决』についての2箇所の記述が2箇所とも間違いってどうよ。

20121105134604
安倍晴明
「占事略决」
詳解

ということで『占事略决』について何か語りたいなら、せめて拙著を読んでからにしやがって下さい、おながいします。