基準卦

基準卦というもの

この前の【第4回 お台場占いバイキング】にスタッフとして参加したついでに、最近やっと卦象が見えるようになってきたこともあって、飛び入りで周易を披露してきた。筮竹捌く*1のは今では珍しいらしくて写真撮られたらしい。

泰復

元勇準博士の学位論文で明らかにされたように、易経に最初からあったものは爻辞と卦画だった。卦画は卦象を読むために必要だったのだろう。周易は卦象が見えるようになってやっと少しは自在な占いができるようになるものであるけれども、卦象は見ろと言われたら見える、というものではない。

私の場合、卦象を見る手掛かりになったのは、玄珠さんに教わった加藤大岳の基準卦*2だった。基準卦というのは、占いのテーマによって異なるが、例えば試験や勝負を占う時は『泰』、病気が治るかを問うときは『復』が基準卦とされる。そして基準卦からのズレから試験で合格するかとか、勝負に勝つか、病気が治るかを判断して行くことになる。

この基準卦からのズレを考えるようになると次第に卦象が読めるようになってくる。そして卦象が見えてくると、基準卦とは別の卦象も見えてくるようになってきた。

基準卦そのものも実占上非常に有効であるけれども、卦象を読むトレーニングとしても優れていると思う。

勝負占における基準卦泰の使い方[08/10 追記]

少しは反響があったみたいなので、基準卦泰の使い方について誤解が無いように少し解説しておく。

勝負占において基準卦泰は実である陽爻が丁度半分まで埋まっている象として、基準卦泰を五分の別れとする*3。つまり泰は完勝の象というわけではない。

黄小娥著「易入門」の大壮の項目には実占例として昔の本因坊戦を占って大壮を得た話が載っている。大壮は泰から一爻上卦に踏み出した形であり、黄小娥は「敵陣に一歩踏み込んだかたち」と基準卦を使った判断をしている*4

ついでに基準卦復の使い方[08/10 追記]

周易の独習でも読んで下さい。

*1:実はちょっともたついた。

*2:基準卦が加藤大岳の創案なのかどうかは知らない。

*3:試験占ならやっと及第点とみる。

*4:黄小娥は加藤大岳の弟子だったので当然ではある。