どうせもう誰かが言ってるだろうけど

最近、西洋占星術のMCとかASCの計算について考え直す機会があってふと気が付いたことがある。まあ我ながらマヌケなことと思ったのはいつものことなんだけど。六壬天地盤を作るということはサインとハウスしかないホロスコープを作ることに等しいというのは、拙著『安倍晴明「占事略决」詳解』にも書いたことなんだけど、この天地盤の作成において作成者が居る地点の緯度の影響が無視されている。これは十二歳建神殺法や四柱推命で使用する命宮が、六壬天地盤の卯地を命宮としているので、十二歳建神殺法や四柱推命の命宮でも同じく緯度の影響を無視していることになる。

ではやっぱり中国占術は緯度を無視しているという点で、西洋占星術と比べると精密さに欠けるということになるのか?というと、多分そうではないだろう。おそらく六壬の天地盤作成は、天頂MCを基準にしてホールサインシステムのハウス分割を行っていたのがそのまま踏襲されて現代まで伝わっているのだろう。天頂を通る天の子午線の大円は経度が同じであれば緯度に関係なく同じ大円になる。つまり天頂を通る天の子午線と黄道の交点であるMCを基準にハウス分割を行えば結果として緯度を無視することになる。太陽過宮である月将がわかっていれば、太陽の高度から天頂にあるMCのサインが計算できる。そしてMCを基準にハウス分割を行えば六壬天地盤と同じものができる。これは古代の占星術でも同じであっただろう。そしてこの方法はホールサインのハウス分割と噛みが良くて、同じサインにハウスのカスプが2本入ることがない。(2008/05/22に追記あり。)