訂正

2008-05-11の日記の「どうせもう誰かが言ってるだろうけど」というエントリで「古代の占星術はMCをハウス分割の基点にしてたんでないの」という持論を断定的に展開したが、間違いだったということがはっきりしたので、御詫びの上、撤回する。

古代からASCが基準ということが、國分秀星さんのサイトであるThe Warrior of Astrologyの「ハウスシステム考」に書かれていた。ちょっと多めだが引用してみる。

ギリシア占星術におけるハウスシステムはホールサインハウスで、度数に関係なく、アセンダントのあるサイン全体が第1ハウスであり、以下順番に続くというものだった。

これが現在でもインドの占星術師たちに使われているのは、ギリシアからインドへホロスコープ占星術がもたらされた時には、まだ他のハウスシステムが発明されておらず、インド人がギリシア占星術の伝統を今でも守っているからである。

したがって、インド占星術を見ても分かるように、第10ハウスとはアセンダントのあるサインから数えて10番目のサインのことであり、必ずしもMCが第10ハウスの始まりであったわけではない。

そもそもホロスコープ占星術が成立した当初のチャートにはMCが書き込まれておらず、後代になって徐々にMCが記入されるようになったが、ギリシア人がミッドヘブンという場合は、単にアセンダントのサインから10番目のサインのことを指していた。

中国占術で緯度の効果を無視するようになったのは、多分ASCの計算コストが当時としてはかなり高いものに付いた結果なのだろう。特に奇門遁甲六壬神課は戦場で使用するものであったため、高い計算コストは敬遠されたのではないだろうか。