皮膚呼吸

例の本多信明先生の『肺の皮膚起源説』関係で前から気になっていた、人間の皮膚呼吸について調べてみたら、『皮膚呼吸#人間と皮膚呼吸の迷信 - Wikipedia』というそのものズバリの記事があった。

ヒトなど哺乳類や鳥類は、心臓が2心房2心室で動脈血と静脈血が完全に分離されて循環するため、末梢の毛細血管を流れる血液に酸素を取り込む能力は著しく低い。ヒトやハトなどで計測されたデータから、呼吸量の1%に満たない量の酸素しか皮膚からは取り入れられていないことが明らかになっている。つまり、皮膚を通じた呼吸は、哺乳類と鳥類ではほぼガス交換上の意義は認められていない。

例外的に血管が分布していない角膜で、組織の呼吸に必要な酸素が直接空気中から取り込まれるぐらいである。しかし、「皮膚呼吸を妨げると命に関わる」等といった迷信が広く信じられているほか、美容や発毛の分野でも宣伝文句として散見されている(このような言説は都市伝説や疑似科学と同等のものである)。

この迷信の起源は明らかでない。しかし、007シリーズの第三作『ゴールドフィンガー』で人が金粉を全身に塗られて殺されるエピソードがあったことからよく知られるようになったのは確かである。

やっぱり「皮膚呼吸を妨げると命に関わる」というのは都市伝説の類だったか。

まあ、肺が消化管起源であって皮膚起源じゃないという話からは遠いけど、気になっていたもので。