こういうのを見ると腹が立つ

報告/物語研究会1999年大会シンポジュウム「区分・領域」というWWWページがあるのだけど、そのページの“2、「区分・領域<テリトリー>」の論じ方、その二・・・境界、領域生成のプロセスとそこに関わる作用・・・ ”に「増尾氏によれば、〜」という前置きで始まる記述の中に以下の文章がある。

占事略決』とは安倍清明*1の著述で、中国の天文学五行思想を述べたものであったが、その著述は占病祟法第廿七より以降に性質が変化していく。つまり陰陽師たちが、中国の文献を典拠にしつつ、中国とは異なるものを創造していったことが読み取れるのだという。

よくもこんな嘘がつけるものだと心底腹が立つ。

この「増尾氏」は占事略决をまともに読むことができていないのははっきりしている。占事略决は徹頭徹尾、六壬神課という占術を簡略に解説したものであるにも関わらず、それを読み取ることができていないからだ。

にも関わらず、陰陽師達が占事略决の趣旨を捻じ曲げた様なことを言っている。「増尾氏」というのはタチの悪いfashionable nonsenseなポモなんだろうか。大体、当時の天文学五行思想が占術と切り離されていたはずがないだろうに。

*1:正しくは「晴明」