太白陰経の遁甲総序には以下の一文がある。
以血爲文、曰天乙在前、太乙在後。
黄帝受符再拜、於是設九宮、置八門、布三奇六儀、爲陰陽二遁、凡一千八百局*1。
名曰天乙遁甲式*2。
黄帝が天帝から受けた符には血で「天乙在前太乙在後」とあったことになっている。黄帝はこの符から奇門遁甲を作り出したと総序は語っているわけで、九宮太乙術をベースにしながらも、奇門遁甲には天乙系の要素が組み込まれていることになる。それは何かといえば、八神しかないだろう。
八神の朱雀、勾陳、六合、太陰、騰蛇は名前からして六壬の天将に由来していると考えて良いだろう。ひょっとすると「天乙在前太乙在後」は坐向について語っていて、向では八神を重視せよということなのかもしれない。