定気と恒気

ちょっと考え始めると、いくらでもネタになりそうな二十四節気の定気と恒気だけれども、例えば奇門遁甲で遁甲暦を作ろうとしたとき、以前のエントリで、

しかし一コマもどって考えるなら、干支暦や朔望月と噛みが良いからという理由で定気の二十四節気を捨て去る訳にも行かないと思う。例えば奇門遁甲の局数を出すための遁甲暦や紫白九星を出すための九星暦には日時の暦において陰遁と陽遁がある。

これは明らかに、太陽の南中高度が高くなって行く期間を陽遁、低くなって行く期間を陰遁とするべきだろう。従って遁甲暦や九星暦の夏至は太陽黄径に基づいて決定されないといけないだろう。

と書いた。

しかしながら以前、大石真行さんが「九星暦は節気だけではなくて干支暦も陰遁陽遁に関係している。つまり九星暦を夏至で切り替えるのは正しくない。」と言っていた。一方で、冬至から夏至までの時間と夏至から冬至までの時間が同じになっている恒気の二十四節気の方が、そうではない定気の二十四節気よりも、干支暦との噛みが良いのは当たり前のことだ。ということで九星暦も恒気の二十四節気が定気よりも相応しい可能性がある。

ややこしいのが遁甲暦で、伝統的な超神接気だと二至に近い符頭日から機械的に5日で節気三元を切っていくので、九星暦と同じように恒気の二十四節気の方が適性が高そうに見える。ところが拆補だと実際の節気と奇門遁甲の節気が等しいので、夏至で強制的に陰遁に切り替わる。この場合、陰遁開始は太陽高度とそのまま関係していると考えても良いので、定気の方がより相応しいように思う。1つの術の中でこういうゴチャゴチャもあって、二十四節気どーすんの?という問題にはまだ自分なりの答えが出てない。

ということで、決然と恒気の立春を祝う大石さんがちょっと羨ましかったりする。