奇門遁甲の寄宮法

奇門遁甲では9の要素と8の要素が混在しているのは一度でも作盤したことのある人にとっては自明なことだと思う。8の要素の場合に困るのが配布の起点が中宮になった場合にどうするかという問題である。

この場合、定位においてしまうというやり方があるが、より一般的に使われているのが寄宮法である。最も基本的な寄宮法が中宮を大地である坤宮に寄せる寄宮法であり、これは「活盤奇門遁甲精義」で解説されている。実は寄宮法はこの他にもいくつかある。参考のために列挙しておこう。

  • 陽遁時は艮宮、陰遁時は坤宮に寄宮させる。これはどちらも土性だから採用されたのだろう。
  • 陽遁時は巽宮、陰遁時は乾宮に寄宮させる。これは内藤公*1が採用している寄宮法であるが、私的にはいささか異端な印象がある。
  • 節気の宮に寄宮させる。今はどうかしらないが透派遁甲では日盤と時盤で採用されていた。

確かに奇門遁甲の寄宮法というのはその場しのぎな印象がある。そこで例えば八門に中門を加えて九門として全て飛泊させれば寄宮法からは逃れられる。しかし八門の起源という遠い過去に思いを致した時、九門にして配布法の矛盾を無くすというのもやり過ぎという印象は拭えない。なお八門の起源については何時かどこかで玄珠さんが発表する日が来るだろう。

*1:この呼び方を以前から採用している身近な方がいるのを失念していた。黒門さんと一緒に劉廣斌奇門大師から拝師を許された鈴木星翔さんである。術数の世界でも武術の世界と同じような呼び方になっているようだ。