サルーンのスィングドア

門と戸

奇門遁甲には、八門、天三門、地四戸、地私門や天門地戸といった門や戸を含む用語が沢山ある。『門』も『戸』も何らかの境界上に位置して、通常は閉じているけれども必要な時に開くものだ。『戸』は片開きの構造で、『門』は『戸』を二つ並べて一つを反転させて両開きにしたものだ。甲骨文の門や戸を見ると、それが好く解る。


甲骨文の門

甲骨文の戸
ウィクショナリーから拝借

まあでも、私が甲骨文の門を見て真っ先に浮かんでくるのは、西部劇に出てくるサルーンのスィングドアなんだよね。こんなの、


swinging cafe saloon doors.wmv

界面律速型方位

『界面律速と拡散律速』再び

昔々*1はてなダイアリー時代に『界面律速と拡散律速』というエントリをあげた。例えば電解メッキをするときに、メッキされて被膜となる金属の成長速度は、

  • 金属のイオンが反応面に到達するまでの拡散速度
  • イオンが還元されて金属となる化学反応の速度

の2つの要因があると書いた。どちらか遅い方で金属皮膜の成長速度が決まる。拡散速度が遅い場合を拡散律速、化学反応の速度が遅い場合を界面律速という。

そして、九星を使って移動する場合は、遠くに行くほど効果が出ると言われているので、気学・九星には拡散律速的だと書いた。そして、

じゃあ界面律速な方位ってあるのかよ?

という、ちょっとカンの好い人なら思いつきそうな疑問やそこからの展開については一切書かなかった。御察し下さいというやつだ。まあ黒門さんは、ちゃんと判ってたけどね。確かに界面律速型の方位というのはある。

しかしまぁあれを書いてから15年以上経つにも関わらず、未だに5chの気学・九星のスレッドに奇門遁甲ウェーイな人が殴り込んだりするわけで、この業界、進歩の無いところはホント澱んでるよね。

*1:2003年11月

無理もない

再度『北斗の拳

昔々*1Office HOKUTOに『北斗の拳と占い』というコラムをあげたことがある。あのマンガが連載されていたのは私がD1かD2の頃だったろうか?マンガに北斗、南斗とか五車といった言葉が出てくることから、原作者の武論尊さんには、確実に西川満先生の算命についての知識があることがわかる。

ところで天帝の近衛である元斗皇拳の伝承者は紫のオーラを纏うことになっている。そして星の世界の天帝である北極星には紫微星の別名があり、北極星の周囲は『紫微垣』とよばれている。なので、武論尊さんには中国天文学ないし占術の紫微斗数について、ある程度の知識があるのだろう。

北極星を含む小熊座の一部が小さな柄杓形に並んでいるので、英語圏で“Little Dipper”と呼ばれることもある。元斗はこれのことだと言えるだろう。“little”があれば“big”があるのは当然で、北斗七星がその“Big Dipper”だ。じゃあ南斗はといえば星座の射手座の一部の6つの星がこれまた柄杓状に並んでいる。これが中国では二十八宿の斗宿で、南斗六星ともよばれている*2

ということなのでid:wattoさんの昨日のエントリに、

いらんこと言いを重ねると、オールドマンガファンとして往年の人気マンガ『北斗の拳』を念頭に置いてのことだが、「北斗」というのは「北のひしゃく」という意味でおおぐま座の七つ星がひしゃくの形に似ていることから命名されたものであり、南半球にそのような形をした星座はないからあのマンガに出てくる「南斗」というのは本来ナンセンスなのである。

と、あったので、早速「南斗ってあるよ」というコメントを付けさせてもらった*3

でもこういう勘違いは仕方がないと思う。『北斗の拳』で南斗聖拳のシンが使っている紋章はブラッディークロスだし、さらったユリアのために作った街がサザンクロスだし、続編にあたる『蒼天の拳』には南斗極十字聖拳が南斗聖拳の源流として出てくる。なので武論尊さんが南斗から南十字星を連想するように誘導しているのは間違いないところだ。

ところで北斗七星の柄の三星である、武曲、廉貞、破軍は古来から軍事と係わっていて死の星だった。後に北斗七星全体が死の星座となる。北斗神拳暗殺拳なのはこんなところから来ているのだろう。また北斗が死の星座ということになると、バランスを取るように南斗は生の星座となっている。ということで、北斗神拳が陰であり南斗聖拳が陽なのは、北斗南斗の役割分担からできた設定だろう*4

追記

はてなブックマークで、id:machida77さんから以下の指摘を受けた。

元斗皇拳で紫の光を放ったのはソリアだけで伝承者ファルコは金色なので紫微垣関係ない可能性が。

調べてみると、伝承者のファルコは確かに金色だった。また記憶を捏造していたらしい。id:machida77さん、ありがとうございました。

*1:1998年8月。

*2:英語圏では“Milk Dipper”とよばれることがある。

*3:そして丁寧な対応を頂いた。

*4:参考→南斗六星#道教-Wikipedia

1959年己亥

紫微斗数の行運

四柱推命紫微斗数だと、持って生まれた個人の特性の解析では紫微斗数、巡って来る行運については四柱推命に分がある、多くはそんなイメージを持っているのではないだろうか。私の場合、1959年の己亥年に腸重積で死にかけたという事実がある。これは四柱推命だと用神のある時柱の甲寅が太歳干支の己亥と干支ともに合して甲寅が働かなくなってしまうことで説明できる。一方、紫微斗数では上手く説明できないことがあって、やっぱり行運は四柱推命かな、と考えていた。

で、その死にかけた年と同じ干支が巡ってくる今年はどうなのか?ということで西洋占星術がどう見るかに興味がわいて幾つか占ってもらったのだけど、ミカミ・ポーラ先生の鑑定が紫微斗数を考える上でも色々と参考になった。ミカミ先生によれば、私の出生図で、

  • 6室の天王星が厄介事のキーになっている。
    • 6室は死に係わるような出来事も扱う。

ということだった。

確かにトランジットで天体がネイタルの天王星とイージーであれハードであれ、アスペクトをもつと色々起こっている。これを参考に紫微斗数で1959年を見てみた。

太陽 旺
左輔、火星、
陀羅
流陀羅

身宮
破軍 廟
文曲(流忌)陥
禄存
流禄存

天機(科)陥
擎羊

流擎羊

紫微 旺
天府 得
文昌 得
流天鉞

乙巳 官禄宮 丙午 奴僕宮 丁未 遷移宮 戊申 疾厄宮
武曲(流禄)廟


流陀羅

太陰(禄)旺
右弼、天鉞、
天空


小限
甲辰 田宅宮 己酉 財帛宮
天同(権)平




貪狼(流権)廟




癸卯 福徳宮 庚戌 子女宮
七殺 廟




天梁(流科)旺
地劫



大限
廉貞 平
天相 廟
鈴星
流天魁

巨門(忌)旺
天魁



壬寅 父母宮 癸丑 命 宮 壬子 兄弟宮 辛亥 夫妻宮

1959年は正月朔が1月31日、立春が2月4日なので、腸重積で死にかけた日には私は虚歳三歳になっていた。木三局なので出童した直後で大限は命宮ということになる*1。そのため大限動盤を気にする必要がない。そこで、西洋占星術の6室に相当する奴僕宮を見ると、廟とはいえ破軍星があり、落陥している文曲が流化忌となっている。確かに手術っぽい何かがありそうにみえる。もっとも禄存と流禄存があるので死なないではあるだろう、という感じだ。

ということで、紫微斗数でも危ないことがありそうと読めなくはないだろう。

余談だけど、ミカミ先生の鑑定で興味深い技法とであった。着目している星がルーラーとなっているサインにカスプのあるハウスや、その星のあるハウスのカスプのあるサインのルーラがどのハウスになっているかなどで、現象がもたらす結果やその原因を推測するという技法は非常に興味深かった。これって棋譜の元ネタなんじゃないの。

*1:別の説があることは充分に承知している。

占うしかなかった

ちょっとした難題

母が骨折して入院したわけだけど、手術後はリハビリ病院に入院することになっている。地域連携の担当の方に御世話になっているのだけど、先日ちょっとした難題が出た。リハビリ病院のリストを渡されて、希望の順位を付けて下さいといわれたわけだ。病院A~Fがあって、リストのトップ病院Aが実家と同じ市内で、ここを1位にするのは確定として、さて他の順位は?ということで困った。仕方がないので病院B~Fを三変筮で占った。
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不思議なことに、さぁこれからどうしますかね?の初爻とか、今となってはちょっとねぇ?の上爻とかばっかりでた。病院Fだけが五爻だった。多分、病院Aか病院Fで決まっちゃうんじゃないかな。

なんか全ての病院に順位を付けていたことに驚かれたけど、地域連携の担当者も占いで決めたとは思わなかったんじゃないかな。
しかし終わってから考えたけど、六壬者としては金口訣六壬を使うべきだったかと反省している。

話変わるけど、転倒した母親を抱き起したり、整形外科に連れて行ったり、救急病院に運んだりで、意外と「火事場の馬鹿力」を使ったらしい。ちょっと後遺症的なものが出てる。

これは骨折だね

整形外科で占った

肩(上腕骨)を骨折して療養中だった母が7月3日に退院して実家に戻ってきたのだけれど、4日の朝、早速転倒した。転倒した直後はそうでも無かったのだけど、しばらくして痛い痛いと言い始め足に力が入らないということになったので、整形外科にレントゲンを撮りに行った。レントゲンを撮っている最中に待合室で骨折かどうか占った。
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その時は、

発用、空亡だし、骨折ではないかも。

と漠然と思っていたのだけど、レントゲン写真を見せてもらったら一目瞭然、素人目にも明らかな股関節の骨折だった。早速、救急の病院に運んで行って即日入院となった。足回りの骨折だったので有無を言わさず手術を決めた。

で、誤占の話を書いてアップするかと考えて、課式を清書していたら、発用が日墓で騰蛇が乗っていた。どうみても骨折だ。迂闊だったとしか言いようがない。やはり壬日の辰墓は危険だなと再認識した。三伝は連珠格進如だけれども、中伝が空亡しているので退如とみる。つまり病院とは縁遠くなる方向だ。そして末伝が午と明るい。しかも一課干上神が刃とはいえ干の旺神、三課支上神も支の旺神で倶旺の形なので、時間はかかったとしてもまた実家に戻ることができるだろう。

逆水を食う

廃墟化したイオン

twitterのタイム・ラインにいくつか、かってのイオンタウン明石が廃墟化しているという話が流れてきた。例えば、

どうも『イオンタウン明石』のあった場所は、店を開いても長続きしないことで知られているらしい。
そうなると風水をかじった人間なら、風水的に問題のある場所ではないか?とGoogle mapを開いたりするのではないだろうか。私はやってみた。

地図からイオンタウン明石が面している道路は、ほぼ坎-離の南北に通っていることが判る。そして割と近くにほぼ艮-坤に通っている道がある。今は第八運なので旺方は艮方で、衰方はその逆の坤方となる。気は旺から衰に流れるので、イオンタウン明石があったエリアが面する南北の道路は気の流れが好くないのではないだろうか。

最初にダイエーが『ハイパーマート二見店』をオープンしたのが1992年で、この時は下元七運だったけれども、七運の時代は兌方が旺方、震方が衰方で東西に貫く道路に面していたいところなのに、そういった道路はない。

このエリアの周辺状況が変わらないとして、ここがショッピングモールとして成功するとしたら、2024年からの下元九運と2044年からの上元一運の40年間ではないだろうか。

私が学んだ妙派の風水では、商業施設として成功する方法の一つとして、旺方から衰方への気の流れを取り込むという方法がある。甚だしいのは、気の流れを真正面から受けるという方法があり、これを『逆水を食う』と言っている*1

*1:この場合、路冲殺になってる時もある。