加藤大岳と野球くじ

終戦後まもなくの1946年から1950年にかけてプロ野球の試合を対象にした『野球くじ』が売られていた。野球くじでは、勝ちチームの他に両チームの合計得点の1の位の数字を当てる必要があった。

加藤大岳は、この野球くじを易占によって度々当てたと言われている。数当てと射覆*1は難しいお題の双璧だと思う。射覆では象がどれだけ練れているか、どれだけ豊富な象を持っているかが試されるわけだが、数当ては的は絞られているものの正しい的を一発で射抜かないといけない難しさがある。

特に野球くじで当てないといけない数字は0〜9で八卦とは少々噛みが悪いように思う。これを度々易占で当てたという加藤大岳は、やはり100年に1人の天才だ。もっとも加藤大岳も横財の運はもってなかったようで、野球くじで財をなすことはできなかった。配当が少額の時によく当てたそうだ。

さて世の中には、占いは認知の歪みを修正するためのツールだと公言する人がいるわけだけど、認知の歪みが訂正できたとして、赤の他人18人とかがやってる野球の得点を当てられるようになるとは、とても考えられないのだが、どうだろう。

*1:隠して出題された事物や人を占いによって当てること。競技として行われることがある。