占的の転移もしくは動揺

占術夜話平成三十年冬季号

占術夜話平成三十年冬季号

今年の冬コミも無事に新刊を出すことができた。その内の1冊が『占術夜話平成三十年冬季号』で、占術についての多方面からの記事がまとめてある。
今回ある意味たまたまではあるけど、周易で話題となることが多い『占的の転移』についての記事が2つ出た。その内の1つが玄珠さんの『天才と職人』だ。玄珠さんは昭和の易聖である加藤大岳はデモーニッシュな能力を持つ天才であり、占う前に占的を決めて得卦をそこに捻子込むなんてことは、天才加藤大岳にして可能であったことで凡人には無理だと考えている。そして天才ならぬ凡人の規範として玄珠さんがあげているのが職人林成光ということになる。

林成光にとっては卦は生きているものであり、占者の思惑を越えて知るべきことを知らせているということになる。つまり占的が転移するのは当たり前であり、得卦がどんなに読みにくくても卦が告げていることを読み取らないといけない。この考え方は、ある意味分占主義の否定でもあり、的が動いているので得卦から読めるだけ読まないといけない*1

そして六壬においても『占的の転移』が発生することがあるという私の体験を書いたのが『六壬神課二例』の後半だ。実家の母の緊急入院にともなっての検査について首尾を占ったつもりが、課式が告げていたのは入院経過だったという占例について解説している。
そういえば以前、大石真行さんがブログのエントリで講座の告知を行っていたのだが、その中で『用神の自動修正』について触れていた。断易でも占的の転移があるようだ。

ということでコミケに来場されなかった方も『占術夜話平成三十年冬季号』を手に取って欲しい。多分、鴨書店に入ると思う。

*1:そういう点でmixiの易のコミュニティで一陽卦は勝負に強いから心配することはないのではという一陽卦と勝負だけの側面からのコメントをあげてしまったのは失敗だった。玄珠さんに後始末をさせてしまって申し訳ない。