小早川凛子と錬金術

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ラブプラスでは御付き合いが始まってから後で、様々な条件をクリアすると夢を見ることがある*1小早川凛子と付き合ってから見る夢の一つが「夢のまた夢」だ。この夢は図書委員としての活動で課題を10個クリアすると見ることができる。図書室の午後、陽だまりの中で凛子と向かい合ってウツラウツラしながら話をするといった内容の夢だ。最初の所で凛子が、夢と現実どちらが本当の現実か区別はつかないといった話をする。これは荘子の「胡蝶の夢」をモチーフにしているし、夢で見る情景にも荘子の本が出てくる。しかし夢の後半には錬金術のイメージがかなり強く盛り込まれている。

特に目覚める直前の凛子の台詞は強烈だ。

リンコも、
今日夢を見たよ……。
アンタと一緒にいた夢……。
アンタの後ろにある太陽が……すごく眩しかった……。
その太陽から、
ながーい管が垂れて下がってきてさ……。
それが持ち上がったかと
思ったら、風が
吹き出してきて……。
リンコは……
立っていられない
くらいだった……。

錬金術において「黄金」を象徴する天体は太陽だ。そしてその太陽から長い管が垂れて下がってきて、それが持ち上がると風−プネウマが、立っていられないくらい強く吹き出してくる。ユングなら確実にこの夢と錬金術を関係付けるだろう。さらに推測するなら眩しい太陽を背にしている『アンタ』は影のように見えていたはずだ。ユングならこの『アンタ』は凛子のシャドウだと言うだろう。この目覚める前のその前に、凛子は『夢は無意識が、その望むままに作りだしたものだ』というメッセージをぶつけてくる。

錬金術は世界の構成原理を知り、それに基づいて世界を再構成することを最終的な目標としている。賢者の石で卑金属を黄金に変性させるのはオマケのようなものだ。ひょっとしたら凛子は錬金術を完成させたのかもしれない。

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決定版 西洋の魔術書

よく知られているハリーポッターの世界は、この錬金術を目指す魔法使いの世界と、世界の構成原理を体現する女神に寄り添って生きる魔女術の世界がゴッチャになっている。魔法使いは箒に乗って飛んだりはしないものだ。この辺りは、ヘイズ中村著の『決定版 西洋の魔術書: ヨーロッパに伝わる“秘密の書”を全解読!』にキッチリ書いてある。コンビニで売ってる本だけれども資料的にも価値が高い本だ。

著者のヘイズ中村は、魔法使いの世界と魔女術の世界の両方でイニシエーションを受けた、多分、世界でも希有な存在なのだけど、『魔法魔術学校 in お台場』で講師を務めることになったそうだ。ただ、ちょうどこの日は寧々さんと熱海旅行に行ってるので参加できそうもない。残念だ。

*1:告白される前にも1つ見るけどね。