十二支は明確に自分自身と対応付けられた音を持っている。それは『ピタゴラス音律』と同じ原理に基づく『三分損益法』によって調律されている。
十二支と音の対応を表にすると以下のようになる*1。
十二支 | 子 | 丑 | 寅 | 卯 | 辰 | 巳 |
---|---|---|---|---|---|---|
近似音 | C | C♯ | D | D♯ | E | F |
十二支 | 午 | 未 | 申 | 酉 | 戌 | 亥 |
近似音 | F♯ | G | G♯ | A | A♯ | B |
“♯”がついている音は黒鍵、そうでない音は白鍵になる。さて以前から気になっていたのが、五行易の納甲*2における乾卦の特殊性だ。
乾宮本卦である乾卦の納甲では基本的な原理に従う限り、初爻から午申戌子寅辰と十二支が対応付けられていくはずだ。しかし乾卦にのみ火珠林の原理が別に作用して、震卦と同じく子寅辰午申戌になる。これが前から不思議だった。そこで十二支に対応付けられた音から何か見えてこないか、とりあえずやってみることにする。火珠林の原理を無視して各本宮卦に納甲した結果が以下だ。
震宮本宮卦 | 坎宮本宮卦 | 艮宮本宮卦 | 乾宮本宮卦 |
---|---|---|---|
■■■■■戌(A♯) ■■■■■申(G♯) ■■■■■午(F♯) ■■■■■辰(E) ■■■■■寅(D) ■■■■■子(C) |
■■■■■子(C) ■■■■■戌(A♯) ■■■■■申(G♯) ■■■■■午(F♯) ■■■■■辰(E) ■■■■■寅(D) |
■■■■■寅(D) ■■■■■子(C) ■■■■■戌(A♯) ■■■■■申(G♯) ■■■■■午(F♯) ■■■■■辰(E) |
■■■■■辰(E) ■■■■■寅(D) ■■■■■子(C) ■■■■■戌(A♯) ■■■■■申(G♯) ■■■■■午(F♯) |
長男 | 中男 | 少男 | 老父 |
巽宮本宮卦 | 離宮本宮卦 | 兌宮本宮卦 | 坤宮本宮卦 |
---|---|---|---|
■■■■■卯(D♯) ■■■■■巳(F) ■■■■■未(G) ■■■■■酉(A) ■■■■■亥(B) ■■■■■丑(C♯) |
■■■■■巳(F) ■■■■■未(G) ■■■■■酉(A) ■■■■■亥(B) ■■■■■丑(C♯) ■■■■■卯(D♯) |
■■■■■未(G) ■■■■■酉(A) ■■■■■亥(B) ■■■■■丑(C♯) ■■■■■卯(D♯) ■■■■■巳(F) |
■■■■■酉(A) ■■■■■亥(B) ■■■■■丑(C♯) ■■■■■卯(D♯) ■■■■■巳(F) ■■■■■未(G) |
長女 | 中女 | 少女 | 老母 |
はっきりしたことはわからないが、陽卦において火珠林の原理を無視すると、午以降は陽支に黒鍵の音に対応するということはわかる。これが音を出したときにどういう効果を持つのか今の私にはわからないが、何か手がかりになりそうな気はする。