サインがしめす方位

表1. 黄道十二宮(サイン)のしめす方位.
サイン 方位 四大
白羊宮、獅子宮人馬宮
巨蟹宮天蝎宮双魚宮
天秤宮宝瓶宮双児宮 西
磨羯宮、金牛宮処女宮

なお中国占術に浸かって*1いる人間にとって、サインがしめす四区分の方位はものすごく興味深い情報だった*2。KDさんから教わったサインの方位区分を表1にしめしておく。一見しただけではサインと方位の対応付けの原則みたいなものが見えてこないだろう。例えば白羊宮は春分に対応するから東かと考えると、夏至巨蟹宮が北だったりする。対応するエレメント(四大)を見てもよくわからない。これを見てホラリーなんて経験則の塊かと思う人もいるかもしれない。

表2. 月将−月建変換.
サイン 十二支 支合 三合局
白羊宮
金牛宮
双児宮
巨蟹宮
獅子宮
処女宮
天秤宮
天蝎宮
人馬宮
磨羯宮
宝瓶宮
双魚宮

しかし普段から十二支に馴染んでいる人間がみると、背後に規則らしいものが見えてくる。以前の日記で、十二支には月将系と月建系の知識が折り重なっていてアマルガムを構成していると書いた。アマルガムを構成しているといっても、月将系と月建系では多少の役割分担があり、月将系は黄道十二宮と直接の対応があるように天の事象に属しており、月建系は地の事象に対応している。方位は一応地の事象なので月建が受け持っている。なのでサインを直接対応する月将の十二支に置き換えた後で、その月将の十二支に対応する月建の十二支に置き換えてみることにする。それが表2である。

月将を月建に置き換える規則は、以前の日記で説明した支合の関係になる。例えば子−丑、寅−亥といった関係だ。表2には最初にサイン、そしてサインに対応する月将支、月将支と支合の関係にある十二支、そしてその十二支の三合局をしめしている。

表から明らかに、白羊宮、獅子宮人馬宮は卯−未−亥の木局に、天秤宮宝瓶宮双児宮は酉−丑−巳の金局に対応していることがわかる。木行は東、金行は西に対応しているというのは五行の常識だ。もっとも残念なことに、巨蟹宮天蝎宮双魚宮は午−戌−寅の火局、磨羯宮、金牛宮処女宮は子−辰−申の水局に対応しているので、南北が入れ替わっている。負け惜しみを言わせてもらうと、少なくとも東西、南北の軸は押えられている。

ということで、どうも西洋占星術においても、支合に相当する関係を使って天と地をつなぐ考え方があったのではないかという感触を持っている。それは地上−ハウス−サイン−天上という占星術の原則にそったものでもあるだろう。これまで中国占術にある古代占星術の痕跡を追いかけてきたが、どうも西洋占星術にも中国占術発祥の時代の記憶が残っているようだ*3

*1:漬かっての方が良いか?

*2:もっともこれはすでにFolさんがホラリーに関連して少し書いていたので、興味を持っていてしかるべきだったが。

*3:そしてそれはネイタルだけからは見えてこないだろう。