イレクション方位術を構想する

西洋占星術のイレクションの技法を方位術に応用するとすれば、

  1. 行動開始の時刻自体が吉である。
  2. 行動開始の時刻が目的にとって吉である。
  3. 行動開始の時刻において使用方位のハウスが吉である。
  4. 行動開始の時刻が本人にとって吉である。

このような時刻を選んで行動することになるだろう。

日本で一般的な方位取りを考えてみると、この行動は小旅行に対応していると考えて良いので、

  1. ASCの状態の良い時刻
  2. 小旅行に対応する3室の状態が良い時刻
  3. 例えば、子の方位に行く場合なら、子に対応する4室の状態が良い時刻
  4. 本人のネイタルやプログレスから見て吉の時刻

を選ぶことになる。

奇門遁甲を方位術として使う場合、上記の1や2の項目について遁甲盤から吉凶を判断する技法は当然のようにあって、一部の書籍では既にそれについて触れられていたりもする。しかし遁甲盤から1や2について読み取ることができるという事自体を知っている人間は今でも少数派だろう。秘密を守る最善の方法は、そのような秘密の存在自体を秘匿することだとは良く言ったものだ。

以前の日記で西洋占星術にも用神の概念があって、それは方位術に応用できるだろうと書いたが、用神天体*1を方位術に使用するとすれば、3の方位選定で用神天体の方位を使用するというのが方位選定の自由度を上げてくれて便利になるだろう。また用神天体であればあまりネイタルやプログレスを気にする必要もなくなるだろう。

*1:私の独自な用語で、ネイタルチャートにおける最も高品位な天体を用神天体と呼ぶことにしている。