“Horary”, “Event” and “Electional”
以前、『イレクショナル六壬の可能性』のエントリで、水埜明善さん*1による、ホラリーとイベントでのチャート読解の基本的な違いについて述べた。たまたま同じ時刻でチャートを立てたとしても、単純にことの成否を読み取るのがホラリーで、関係者への影響を含めて成り行きを読み取るのがイベントということになる。ホラリーなら“Significator”に着目すれば良いけれども、イベントならチャート全体を読まないといけないわけだ。そして、関係者への影響を含めて成り行きを読み取ることができるようになって初めて、何か吉になる時刻で決まるチャートの選択であるイレクショナルを使うことができるようになる。
ただ、であるならば、ホラリー占星術のような時刻をトリガとする卜占術であるなら、イベント占星術のように事が起こる時刻から関係者への影響と成り行きを読み取ることもできるだろうし、イレクショナル占星術のように選吉にも応用できるということになる。当然、時刻をトリガとして作盤する六壬、遁甲、太乙の三式はそういうものだろうし、九星の卜占もそうなるだろう。
ただ中国占術がホロスコープ占星術と異なっているのは、例えば六壬の四課三伝や遁甲卜占の日干時干落宮*2といった全体を読み解くための手掛かりがビルトインされているところにある。六壬や遁甲の卜占をイベント的に使うためのハードルはホロスコープ占星術よりは、ちょっと低いんじゃないだろうか。そして選吉のために必要な大量の作盤も中国占術の方がやりやすそうに思う。