中緯度帯


夏至における昼夜の模式図

ほとんどの占術は北半球の中緯度帯で生まれて発展してきた。占術にとって緯度の違いがどのような意味を持っているのかについて最近よく考える。図は夏至における地球と日光の関係を模式的にしめしたものだ。夏至なので、日光は北回帰線を真上から照らす。そして日光の当る昼の側とグレーでしめした日光の当らない夜の側が発生する。北極付近には白夜となる領域が発生し、南極付近には濃いグレーで表示した夜明けのこない極夜の領域がある。

北半球における中緯度帯とは、上図の北回帰線と白夜の領域に挟まれた領域を指すと考えて良いだろう。北半球の中緯度帯は日光との関係でいえば、太陽高度が最も高くなるのが太陽が南中するときであるという特徴を持っている。ところが南北の回帰線で挟まれた低緯度帯では、太陽高度が最も高くなるとき、太陽が北にあったり南にあったりと二十四節気とともに変化することになる。また高緯度帯とは白夜になったり極夜になったりする領域と考えて良いだろう。

残る南半球における中緯度帯は、太陽高度が最も高くなるのが、太陽が北中するときとなる。ここで占星術における10室のカスプであるMCが、子午線と黄道との交点で天頂側と定められているものなら、南半球の中緯度帯ではMCは北にあることになる。ひょっとすると南半球と北半球ではハウスの配置が鏡像になっているかもしれない。